事業性評価研究所、 資産評価システム「農業用ハウス価格査定アプリ」を 宮崎県に提供開始

株式会社事業性評価研究所(BVR)は、宮崎県との農業経営資源の第三者承継に関する連携協定に基づき、農業用施設等の資産評価システムである「農業用ハウス価格査定アプリ」の提供を開始した。

農業法人のM&Aや円滑な事業承継に際して、施設園芸農業の主要資産である中古農業用ハウスの価格査定を簡潔・迅速に行う日本国内では初めての試みです。

事業性評価研究所、 資産評価システム「農業用ハウス価格査定アプリ」を 宮崎県に提供開始
■概要と目的
農業用ハウスは、法定耐用年数が満了すると帳簿上の価値は無くなりますが、使用価値は償却満了後も長く残ります。

施設園芸農業は設備投資額が大きく、事業資産に占める農業用ハウスの割合が高いことから、事業承継の際の円滑な価格交渉の妨げになっていました。

BVRが宮崎県に提供する「農業用ハウス価格査定アプリ」では、中古農業用ハウスの基礎情報と現況分析のための定性情報を入力するだけで、合理的な根拠による基準価格の算定が可能です。


■サービスの特徴
〇特徴1 入力項目が少ない

基礎情報として、(1)規模、(2)構造、(3)仕様、(4)設置年次、定性情報として、(5)管理状態、(6)汎用性、(7)立地条件、(8)修繕履歴、(9)追加設備の状況、入力の要求項目は9項目です。


〇特徴2 明瞭な評価モデル
農業用ハウスは、規模や構造、用途、地域による個別性が強く、譲渡事例に基づいたAI学習では満足な結果が得られません。

BVRでは、使用価値に関する基本的な評価モデルを考案し、基礎情報と定性情報をアプリに入力するだけで、設備に関する知識や経験が無くても「通常使用可能な年数」を算定できる仕組みです。

この計算結果を基に、農業用ハウスや関連設備の新規再調達コストを関連づけることで価格査定を可能にしています。(特許6511558 特願2019-116332)


〇特徴3 効率化と満足度の向上
個々の譲渡価格は譲渡側の債務状態や、取引当事者の個人的事情に左右されます。過去の取引実態や取引慣行から類推する方法のみでは、仲介者の経験と勘に依存するため、中立性・公平性が担保できませんでした。

本システムでは譲渡事例のうち、設備劣化判定や関連設備の選考性に地域の実情を踏まえることで、より精度の高いシステムを実現しています。


■今後の取組み
BVRは宮崎県で、令和2年12月から農業用ハウス価格査定アプリを先行運用してきました。このたびの本格稼働を踏まえて今後はさらに改良を加え、新たに果樹樹体の評価について開発を予定しています。

将来は、建物や構築物、農業用機械などの様々な農業用資産の資産評価を視野に入れた開発を続けて参ります。