米国マサチューセッツ州ケンブリッジにある種苗会社ベンチャーのイナリ・アグリカルチャー社は、ライフサイエンス分野に特化した投資会社「K2 HealthVentures社」と4500万ドル(約48億円)の資金調達に関する契約を締結した。
同社は、ライフサイエンス事業を展開する「フラグシップ・パイオニアリング社」にて、農業ビジネスを展開するために2016年に設立された。
同社が手掛けるのは、異常気象や地域によって異なる気候条件に対して、環境を維持しながら生産性を高める「カスタマイズ型の種苗開発」である。
具体的には、全く異なる特性を植物へ導入する “遺伝子組み換え” ではなく、植物が持つ遺伝子情報(ゲノム情報)を切断・再編集する “ゲノム編集” と呼ばれる技術を活用している。
植物の中に存在する膨大なゲノム情報(遺伝情報)の中で、眠っている機能を呼び覚まし、植物が持っている力を強化させるような形で種苗開発を行っている。
現在は、大豆とトウモロコシの種苗開発を行っており、自社での試験栽培では成功している、という。実証が終わり次第、開発した親株を、提携する種苗会社へ量産化を依頼し、農家へ提供される。
今回の資金調達も、こうした研究開発や市場への商品投入を加速させるために利用していく、という。
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