植物工場向けLEDソリューション開発を行う、シグニファイジャパンは、太陽光利用型植物工場にてフルーツトマトを栽培する富山環境整備に対して、2017年からの試験導入を経て、2019年秋からは合計1.8haに拡大して本格的な導入を実施した。
シグニファイジャパンでは、曇天や降雪などによる日射量不足の課題を改善するため、植物育成用に開発されたLED照明と最適化されたライトレシピを用いて、照明ソリューションを提供しています。
インターライティングは、日照時間が短い冬の時期でも作物がよく育つように特別に開発された、周年生産に適したLEDモジュールです。
配光特性の良いLED照明を作物の樹間に設置することによって、葉の陰になり日光が当たりにくい樹間や中間層にもムラのない充分な光を与えることができ、生産量の向上と生産の安定化を可能にしています。
さらに、大学、研究機関、生産者、種苗会社との長年の共同研究によって特別に開発したライトレシピ(*2)を用いることで、作物の品質を一定にし、なおかつ向上させることも可能になります。
シグニファイジャパンでは、作物の品質を向上させ、生産量を安定・向上させる照明ソリューションによって、生産者の方々の負担軽減と、地域への貢献を目指していきます。
*2 スペクトル、光量、照射時間、配光特性の組み合わせのこと
■富山環境整備によるインターライティングの導入と実績
インターライティングの導入を決定した富山環境整備では、2001年よりハウス園芸に取り組んでいます。ハウス園芸事業開始当初は、ハウス内に照明を設けず自然光のみで栽培を行っていました。
しかし、11月から2月にかけての曇天や、降雪によって屋根が雪に覆われてしまうなど、冬の富山での日射量不足を栽培の課題としてきました。
2019年秋からのインターライティング本格導入後、フルーツトマトの冬季収穫量が前年比で約40%も増加しました。1年を通して安定した生産が求められる生産者の冬季の課題を、照明ソリューションによって解決することができました。
富山環境整備でハウス園芸を管理している山藤 正智氏はシグニファイジャパンのサービスについて、「世界有数の実績と知見をおもちであることに魅力を感じました。販売して終わりでなく、アフターフォローもしっかりされていることはとても心強いです。」とコメントしています。
■インターライティングについて
インターライティングを使えば、ハイワイヤー方式の樹間に照明を設置し、植物生育促進光を作物の最も重要な部分に集中して当てることができます。
連結して接続することができるため、手早く簡単に設置することができます。また、高さの調節が自由自在なため、1メートルずつラインを引き上げることも可能で、必要な箇所へ正確に光を照射することが容易になります。
高出力品は、システム効率3.0μmol/Jのインターライティングモジュールのため、必要に応じた増産が可能で、エネルギーコストでお困りの場合はより低いエネルギーコストにてトマトやキュウリなどの収穫量を上げることができます。
■「ホルティカルチャー(園芸向け)LEDソリューション」について
大学・研究機関・生産者・種苗会社との長年の共同研究により開発したライトレシピによって、一年を通して安定した栽培に最適な照明ソリューションを、様々な栽培方法に合わせて提供しています。
・ハイワイヤー栽培 :インターライティング
・葉物野菜/花卉(温室) :トップライティング
・植物工場 :プロダクションモジュール
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