NTTテクノクロス株式会社は、農業におけるハウス施設内の温度・湿度を見える化する「Fermier Monitor(フェルミエ モニター)」を2020年4月1日から販売する。
■背景
近年、農業においてハウス施設内の環境の制御技術が開発されるとともに、測定機器や制御機器も発展し、収穫量の増加・品質の安定化・周年栽培が可能となってきています。
しかし、ハウス施設内はほとんど密閉された空間のため空気が循環しづらく、たとえ環境制御技術を活用していたとしても、同じハウス施設内で温度や湿度を細かく比較すると偏りが出るということが、NTTテクノクロスの検証で判明しています。
Fermier Monitorでは広いハウス施設内の温湿度を簡単に可視化し、環境の差(ムラ)を明らかにします。
これにより、生育差や収量差、疫病の発生原因を定量的に評価することを可能にし、収量や品質の安定的な生産をサポートします。
■特長
(1)多地点で温度・湿度を見える化
LPWA通信と無線センサーを活用することで、ハウス施設内の上下左右の多地点において、温度と湿度を計測することを可能にしました。
これにより、例えば暖房機付近と出入口付近や天井付近、地上部付近の温度/飽差を把握できるようになり、適切な温度/飽差が保たれていない箇所の改善を行うことができます。
センサーは、電池駆動で約3年間利用可能なため、既設ハウスでも簡単に導入できます。
(2)業界初 わずか1度の差も視覚的に分かりやすく管理
一般的なグラフ表示だけでなく、多地点で測定された同一時間帯の温度を1度ごとに色付けして、3Dマップ上に表示します。
農作物は1度の差で成長に大きく影響しますが、各時間帯の温度・飽差のムラを分かりやすく可視化することで、収量差の出やすい温度ムラ箇所の具体的な制御改善を行うことができるため、収穫量の増加・品質の安定化につながります。
さらに、オプションを利用することで、複数のハウス間の環境比較や任意のセンサー間の環境比較など、より詳細な分析を簡単に行うことができます。(特許出願中)
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