スウェーデンの大手スーパーが店舗併設型の植物工場を稼働。その導入理由は?

 スウェーデンでは先日、家具メーカーのIKEAが店舗に併設したコンテナ型の完全人工光型植物工場を稼働させたばかりだが、1,300店舗以上の小売スーパーを運営するICAも、スウェーデンのハルムスタッドにて、同じ形式のコンテナ型植物工場を稼働させた。

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スウェーデンの大手スーパーが店舗併設型の植物工場を稼働。その導入理由は?
IKEAの場合、収穫した野菜は稼働当初はスタッフ向けに提供され、将来的にはIKEA内のレストランにて利用される予定だが、今回のICAの場合、スーパーに併設した形で植物工場を稼働させ、収穫した野菜はすぐに店舗内にて販売される。

40ftコンテナ内は、垂直式のタワー型水耕栽培システムを採用。品目は、バターヘッド・レタス(サラダ菜)、ほうれん草、ハーブなどを栽培している。

スウェーデンの大手スーパーが店舗併設型の植物工場を稼働。その導入理由は?スウェーデンの大手スーパーが店舗併設型の植物工場を稼働。その導入理由は?

ICAスーパーが植物工場を導入した主な理由

1.新鮮な野菜を周年で供給できる
スウェーデンでは生鮮野菜は輸入に依存しており、季節によっては調達できない野菜もある。植物工場では季節に関係なく、生鮮野菜を自社にて提供できる。


2.環境保全にもつながる
完全循環式にて、水使用量が飛躍的に削減できる。40ftコンテナ1台にて、1日に使用する水は約22リットル程。

また、フードマイレージの削減にもつながる。同社によると、輸入された生鮮野菜と、店舗併設型植物工場では、消費者までの平均距離が「2,000km」⇒「30m」に削減できる、という。