株式会社ファンケルは、2001年から約20年間にわたりケールの研究をしています。その一環としてベトナム国立栄養研究所※1と、ケールのジュースを長期摂取した際の子どもの身体機能への影響を確認する共同研究を行ってきました。
その結果、ケールのジュースが子どもの身体の発育に良い影響を与え、健康維持および成長を助けることが分かった。
<研究結果>
ベトナム、ハノイ市内の小学校に通う健康な小学校2年生~4年生の男女602人を対象に試験を実施しました。
試験方法は、ミネラル農法※2で栽培した日本国産ケール生葉120g分を1杯分としたジュースを毎日飲むグループ(以下、ケール群)と、ケールのジュースを飲まないグループ(以下、コントロール群)に分かれ、ケール群には約8カ月間ジュースを飲み続けてもらい、その後コントロール群と比較しました。
比較内容は、身長と体重、握力、視力、上気道感染症(=風邪症候群 以下、風邪と表記)の発症状況です。
その結果、ケール群はコントロール群と比較して、身長が伸びた結果が得られ(図1)、体重や握力も増加していました。また、裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は、コントロール群よりケール群が少ないという結果でした(図2)。
さらに、調査期間中に風邪を発症した子どもの割合も、コントロール群が75%に対して、ケール群が41%と発症率が低くなっていました(図3)。
風邪の罹病日数※3もケール群の方が短いことが確認され、ケールのジュースを長期間飲むことによって、風邪にかかりにくく、回復も早いことが分かりました。
これらの結果から、ケールのジュースを習慣的に摂取することが、子どもの身体の発育に良い影響を与え、健康維持および成長を助けることが分かりました。
【用語解説】
※1 国立栄養研究所:ベトナム保健省(Ministry of Health)の管轄下にあり、栄養学、食品の安全性と衛生管理、ベトナム国民の臨床栄養の分野における研究などをリードする機関
※2 ミネラル農法:毎年の土壌分析をもとに過剰な成分を抑え、足りない成分を補う土壌からこだわった栽培方法
※3 罹病日数:病気のかかりはじめから症状がなくなるまでの日数
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