富士経済、植物工場・スマート農業市場を調査。2017年プラント市場は90億円

 株式会社富士経済は、植物工場(養液栽培)やスマート農業関連の市場を調査し「アグリビジネスの現状と将来展望2018」を発行した。

この調査では、センシング・制御・ネットワーク技術やAI、画像解析などの最新技術の活用が進むスマート農業関連をはじめ、養液栽培関連プラントと施設園芸関連資機材の市場を調査分析した。

富士経済、スマート農業市場を調査。2017年の市場は46億円・2025年には約3倍へ
また、農業ICTユーザーの現状評価・ニーズを明らかにするとともに、日系企業の海外進出や海外企業の日本市場参入の動向を捉え、現状の市場実態を踏まえて今後のアグリビジネスの可能性を検証した。


<注目市場>
1.スマート農業関連の国内市場

市場は、農業用ドローン/ロボット、栽培施設内の環境制御・モニタリング用の装置・システム、生産・販売・物流管理のシステム/サービスを対象とする。2017年の市場は46億円、2025年には123億円が予測される。

農業用ドローン/ロボットは人手不足問題を抱える農業分野では期待が大きい。農業用ドローンは安全性やイニシャルコストの面で課題が残るものの、近年自立飛行型の発売や、規制緩和といった普及に向けた環境整備が進んでいる。農業用ロボット(車両型の自動運転農機)は2017年にモニター販売が始まり、2018年には各社から製品投入が予定されており、今後の伸長が予想される。

環境制御装置は大規模栽培施設には必要な装置であり、政府によるICT事業への補助も追い風となって、市場が拡大している。今後も大規模栽培施設は増加するとみられ、また、既設の栽培施設においても生産性の改善に向けて統合的な制御ができる高度な環境制御装置の導入が進むとみられる。

環境モニタリングシステムは様々なITベンダーが市場に参入したことで、ユーザーニーズに即した製品やサービスが増加している。今後も大規模栽培施設向けを中心に市場が拡大していくとみられる。

また、これまでは大手企業によるハイエンドモデルが中心だったが、参入企業の増加によりローエンドモデルが増加してきており、ユーザー層の拡大を後押ししている。

生産・販売・物流管理システム/サービスは従来の紙媒体による記録管理からIT化による効率的な情報の管理と活用へニーズが移行しており、徐々に普及が進んでいる。

現在、政府主導で農政改革が進められており、各地のJAもIT化を推進している。また、企業や農業生産法人にとってITを活用した生産管理システムは一般的であるため、今後は生産管理や業務効率化ニーズの高まりとともに、市場は堅調に拡大すると予想される。

詳細ページ アグリビジネスの現状と将来展望2018
 https://www.fuji-keizai.co.jp/report/index/141711840.html