東洋ライス、シンガポール政府から健康食品認定取得。病院の療法食採用も

 東洋ライス株式会社は、シンガポールで金芽ロウカット玄米、金芽米を機能性(単なるコメではなく、薬食同源の生薬)を持ったコメ(=メディカルライス)として本格販売する。
東洋ライス、シンガポール政府から健康食品認定取得。病院の療法食採用も
シンガポール政府(健康促進局)が安全で健康に良い食品・食材に付与する「Healthier Choice Symbol(ヘルシアチョイス)=注1」認定を、この度、ロウカット玄米が取得したほか、それによって取扱店が現地大手(高級)スーパー「Cold Storage」など34店に一挙に拡大。

さらに5大私立病院の一つ「Thomson Medical」は療法食として採用、またプロの料理人を養成する国立の料理学校「Asian Culinary Institute」(ACI)での採用とレシピづくりが始まりました。


【シンガポールでのメディカルライスの普及】
国民1人当りの所得が世界第2位(第17位の日本の2倍以上 -WHO世界保健統計2015年版-)で、医療水準も高いシンガポールでは、保健当局が、一昨年より国民に対し、白米が糖尿病の原因になるから、精製度の低いコメに変えるように、と呼びかけるなど、国民の健康対策に積極的に取り組んできました。

一方、上記の認定取得によって、シンガポールのスーパーマーケットでは、目下、ヘルシアチョイスの認定マークを付した日本産のコメは弊社の「ロウカット玄米」以外にありません。

こうした“順風”を受け、東洋ライスは、日本国内で健康志向のコメとして実績と評価を得た「金芽米」、「ロウカット玄米」を機能性を持ったコメ=「メディカルライス」として、シンガポールにおけるブランディング、PR、販売チャネルの充実を一気に実現した、これまでにない日本産米の販売スタイルでシンガポールでの定着を目指します。
数年後には同国のコメのシェア1%の販売を見込み、さらに他の諸国にも同方式の展開を目指します。


【ロウカット玄米、金芽米について】
ロウカット玄米(海外での商品名「Kinmemai Better Brown」)は、玄米表面にある防水性の高い「ロウ層」を均等に除去することで、玄米の栄養価をほぼ残しながら、白米のように炊きやすく、食べやすくしたコメです。

2015年3月の発売以降、売り上げは順調に推移し、2016年度は前年度比30%増の1,300トンを生産しました。

一方、金芽米(海外での商品名「Kinmemai Better White」)は、これまで糠と共に取り除かれていた亜糊粉層(あこふんそう)を残して精米し、さらに無洗米加工した精製化していない白米で、2016年度は前年度比0.1%増の5万500トンを生産、2005年の発売以降、消費者から8,000件を越える美味しさだけでなく健康効果に関するレビューが寄せられるほど、その機能性は高く評価されています。
また、これについてもシンガポール政府にヘルシアチョイスの認定を受けられるように注力しているところです。


【パートナーシップマーケティングにおける展開】
これまでのシンガポールにおけるロウカット玄米及び金芽米の取扱店舗は、「伊勢丹」、「明治屋」など日系スーパーを中心とした10店で、昨年度の販売実績(業務用含む)は、ロウカット玄米が1トン、金芽米が75トンでしたが、この度、ヘルシアチョイスの認定を受け、本年6月14日からは新たに日系及び現地大手(高級)スーパーなど24店に拡大し、合計34店になり販売チャネルが拡大しました。

また、シンガポール在住で出産をする妊婦の約7割が入院すると云われている「Thomson Medical」での療養食では、入院食及び産後ケータリングサービス(28日間)にも採用され、ランチョンマットや同梱チラシによるPRを行う予定で、これにより妊婦本人だけでなくその家族に対してもメディカルライスとしての認知拡大に大きな効果を発揮するものと思われます。

このほか、シンガポールにおける一流のレストランなどで働くプロの料理人を養成するACIでは、授業に使うコメとしてロウカット玄米と金芽米の両品を使用。


【今後について】
なお、東洋ライスはシンガポールへの輸出米について、ロウカット玄米は「島根県産きぬむすめ」、金芽米は「長野県産コシヒカリ」を使用しております。

玄米の供給元であるJA全農長野(長野県長野市)、島根県農業協同組合(島根県松江市)とは連携協定を結び協調しながら海外展開を進めてまいりましたが、今回のような日本産米の新規需要を創造することで、両県は計画的な作付けが可能となるだけでなく、コメ生産者においても大きな励みとなるなど、農業の活性化に役立っております。

このように、東洋ライスは年々増加する「認知症を含めた病魔の猛威」、「追いつかぬ介護態勢」、「国家財政を圧迫する医療費問題」、「コメ需要の減少による生産農家の困窮及び水田の減少」、「来年度に迫った国によるコメの生産調整の廃止で先行きが不透明なコメ需要」といった山積する課題の解決を目指してきましたが、ようやくにして外国における「メディカルライス」という新たな市場の創出によって一層国家社会に貢献すると共に、更には、世界にも「健康」で一層貢献して参る所存です。


(注1)「ヘルシアチョイス」は、シンガポール政府(健康促進局)が、健康に良い食品について、他の商品と差別化を図り、消費者の健康意識の醸成を目的として1998年に制定したもの。

消費者が、身体への影響を考慮した上で購買行動に移すことができるよう運用されている。現在、60種の食品カテゴリー、約2,600品目以上の食品や飲食店メニューにロゴが付与されている。近年の同国の政府の調査によると、10人中7人がロゴを認識し、69%が商品を選ぶ時の参考にしていると答えるほど浸透している。