トップリバーが「MotionBoard」で農場経営データを可視化、効率的な管理を実現

 農業生産法人有限会社トップリバーが、ウイングアーク1st株式会社のサービスである農作物の生育状況や農場経営データを情報活用ダッシュボード「MotionBoard」で可視化する基盤を構築し、農業経営に活用している。

 2000年に設立したトップリバーは、長野県内3つの産地の標高差を生かし、レタス、サニーレタス、グリーンリーフ、キャベツ、白菜などの野菜を生産している。

 同社が注力しているのがITの活用だ。2008年頃より、トレーサビリティーを確保する情報管理や各圃場における生産計画・実績管理といった業務のシステム化に積極的に取り組んできた。

 2014年には、トップリバーと地元行政、地元農家が協業し、作付面積100ヘクタールを超える高原レタス・キャベツの一大産地を形成する「富士見みらいプロジェクト」が発足。これを機に、システムの根幹を支える統合データベースを再構築し、そこに蓄積されたデータをより柔軟に見える化できるダッシュボードの構築に乗り出した。

 同社より相談を受けた日立ソリューションズ東日本は、農業情報の見える化に関してのノウハウと、農業分野において「MotionBoard」の活用実績が豊富だったことから「MotionBoard」を提案し、その柔軟なカスタマイズ性やスモールスタートがしやすいライセンス体系が評価され導入が決定した。

 こうした経緯を経て2015年7月に「MotionBoard」を導入したトップリバーは、日立ソリューションズ東日本よりトレーニングを受けた後、すぐに本格的な活用を開始した。日立ソリューションズ東日本とアイデアを出し合いながら、その場で要望を反映していくプロトタイピング手法を実践し、わずか半年足らずの短期間のうちに100種類を超えるダッシュボードを作成。

 これらのダッシュボードは、実際の業務で即座に効果を示し始めている。例えば、「圃場カルテ」は、圃場での日々の作業を通じた“気づき”を記録・管理し、そこから得られた知見を全員で共有している。

 また、生育状況の見える化では、作物の生育予測と生育日数(実績)を組み合わせた計画立案により、今まで以上に精度の高い出荷を実現している。さらに、農場経営の見える化では、農場ごとの収支状況をデイリーで表示するほか、前年同期との売上比較、農場間の実績比較などもダッシュボード上で簡単に行えるようになった。