NKアグリ株式会社は、全国7道県、約50名の農家と連携し、機能性野菜「こいくれない」の2016年度栽培を開始した。2016年度は、サイボウズ株式会社が提供するクラウドシステム「kintone」を活用し、全国の農家とIoTセンサーのデータを共有しながら生産を進める。
【概要】
提携農場 :全国7道県 北海道、青森県、茨城県、千葉県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
販売開始日:2016年11月
販売店舗 :全国の量販店、生協
販売目標 :2016年度産 90万袋(昨年対比145%)
【注目される機能性野菜】
ライフスタイルの変化や高齢化の進行にともない、食生活における国民の健康志向は高まっています。この流れを受け、機能性表示食品制度や栄養機能食品制度などを活用し、健康維持増進に関わる機能を訴求した「機能性食品」が相次いで発売されています。
生鮮食品においても機能性の表示が可能となったことで、機能性に着目した品種の野菜が一部で登場しています。
リコピン人参「こいくれない」は、通常人参に含まれるβカロテンに加え、通常の人参にはほぼ含まれないリコピンを含んでおります。人参独特のにおいが少なく、甘みが強いため、野菜の苦手なお子様でも食べやすいと好評をいただいています。
しかしながら「こいくれない」は、通常の人参よりも旬が短く、一つの地域で1ヵ月ほどしか収穫できません。小売に流通させられるほどの収穫量が確保できないため、一般的なスーパーなどでの販売は難しいとされていました。
【IoT×地域を超えたチームワーク農業で、機能性野菜の市場流通量を確保】
NKアグリは、「こいくれない」を長期間出荷できる体制を作り、全国規模の流通体制を構築するため、2015年度から全国7箇所の農家との提携を開始いたしました。
提携開始に伴い、NKアグリは全国各地にセンサーを設置、気象データをクラウドシステム「kintone」に集約する仕組みを作りました。このセンサーデータと、独自に解析した栽培条件を掛けあわせて、各地域の「こいくれない」“旬”の収穫時期を予測。
提携農家には、この予測を基に、収穫時期のお知らせや栽培に関する助言を実施しました。その結果、初年度である2015年度は、こいくれない人参を500トン生産することに成功いたしました。
さらにこの取組みは、総務省が主催する「地域情報化大賞2015」において「地域サービス創生部門賞」を受賞し、ブランド野菜の提供を通じた地方創生の模範的な事例としてご評価いただいています。
【2016年度からの新たな取組み】
2016年度からは「kintone」で構築したIoTシステムを、提携農家にも解放いたします。収穫予測日や栽培の進捗状況を農家と共有し、「kintone」上で議論を重ね栽培精度を向上することで、βカロテンなどのプロビタミンAの量を把握し、露地野菜では初めての「栄養機能食品」として販売いたします。
日本の農業は、各地域に閉じた状態での経済活動が進んでおり、地域をまたいだ生産の取り組みや、ノウハウ共有の文化はありませんでした。「kintone」によって全国の農家がつながることで、地域を超えたチームワーク農業のモデル構築ができると考えています。NKアグリは、今後も農業の成長産業化に貢献し、未だ市場に流通されていない、新しい野菜を市場に提案してまいります。
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