工業用間接資材の通信販売最大手のMonotaRO(モノタロウ)による調査では、同社が運営する販売サイトにおいて、米/野菜/果樹作農業者を中心とした従業員数10名以下の小規模・農業ユーザーによる新規登録数は、過去5年で4倍、2015年の売上は前年対比で約2倍となるなど、急激な利用拡大が進んでいる、という。
これは、近年の新規就農者数の増加傾向とも相まって「生産の効率化」や「人手不足」といった産業全体として抱える課題に対して、従来の資材調達方法に依存しないインターネットを活用した新しい資材調達に着目し、「調達の手間の削減・本業に従事する時間の確保」を実践しようとするユーザーの増加が背景にあると考えられる。
最新の売れ筋ランキングが示すインターネット調達の実態
農業資材商品数も5年で35倍増 ワンストップショッピングを進化
2014年に本格展開を開始した農業資材は、農具や農業機械だけでなく、ビニールハウス用ネット、種、肥料、農薬など約28,000点を取り揃え、過去5年で35倍となる商品拡充を行っています。
豊富な品揃えが多品種な消耗品購買に寄与
農業ユーザー売れ筋商品ランキングでは、農業機械の汚れ落としとして使用される「ブレーキ&パーツクリーナー魂 2000」が圧倒的な人気となりました。
その他、農業機械のメンテナンスに使用されるエンジンオイル、オイルフィルター、潤滑剤に加え、軍手やマスク、ハンドクリーナーといった業種や作業を問わず利用される消耗品が上位を占め、価格・品質の両面から当社PB商品が大きく支持されています。
農業ユーザー全体では2015年1年間で累計100,000アイテムに及ぶ商品が購入されており、購入手間のかかる消耗品購買の効率化に役立っているようです。
カテゴリ拡充が、業種を超えた「ついで買い」ニーズに影響
一方、農業資材・園芸用品カテゴリ売れ筋商品ランキングでは、ベスト10に草刈用のチップソーが4商品ランクイン。他にも水撒き機やノズル、蛇口等の散水用品も上位に入っています。
これらは、製造業、自動車整備業、電気工事業、町のクリニック、商店など農業以外のユーザーにも多く支持されおり、工場や事務所、店舗ま
わりの草木の剪定や散水に利用されていることが窺えます。現場作業や営業に必要な工具や資材に加え、拠点まわりの環境整備のための商品が「ついで買い」として購入されているようです。
ワンストップショッピングが本業に従事する時間を生み出す
上記から、900万点の豊富な品揃えとインターネットによるスムーズな購買の実現が様々なユーザーのワンストップショッピングを可能にし、資材調達の手間削減による本業従事の時間確保に貢献しているものとだと思われます。
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