大規模な露地栽培が展開されている米国において、若者を中心に新たな農業ロボットの活用が進んでいる。農家の高齢化や後継者不足という問題を抱える日本とは異なり、新たな農業技術を大学などで学んだ農家の息子たちが、新しいアグリビジネスに挑戦するケースが増えているようだ。
特に注目度が高いテーマは「無人飛行機・ドローン」だろう。農業用ドローンでは、広大な農地の土壌環境を効率的に情報収集・分析・データベース化し、土壌の栄養状態に合わせてドローンが肥料供給量をコントロールすることも可能である。
こうした取組みは、作物の品質向上だけでなく収量アップや人件費の削減、肥料代の節約など事業の収益性にも貢献できると期待されているからである。
農業用ロボット分野としては既に、ジョンディア社をはじめとする大手農機メーカーが開発する商品には、土壌環境や気候条件など様々なデータを解析・判断するインテリジェント化が進んでいるが、大型トラクターとなると億単位の費用となるため購入できる農家は限られていた。
しかし、一般の農家でも手が届く価格帯の農業用ドローンが普及し始めたことで米国の農業ビジネスは今後、大きく変化していくことが予想される。市場調査会社のトラクティカ社によると、2015年の農業用ロボットの出荷台数が3万3000台となっており、2024年には世界市場で99万2000台に拡大すると予測されている。
施設園芸による野菜や米国でも急速に拡大している人工光型植物工場など、一部の大規模な穀物栽培に普及が限定されていた農業用ロボットが、幅広い栽培方法・品目にも利用される機会が増えていくだろう。
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