農林水産省は4月27日に「果樹農業振興基本方針」を公表した。中でも、果物の商品選択や新需要創出に向けて消費者へ強くアピールするため、温州みかんに含まれる「β-クリプトキサンチン」に対して、4月より開始した機能性表示食品制度の活用を強く推進すると記載した。
国内の果実生産量は、輸入果実の増大、食習慣の変化等を背景として、昭和54年の675万トンをピークとして減少に転じ、近年では300万トン前後で推移している。また、品目で見ると、うんしゅうみかんの生産量が大きく減少する一方で、その他の品目では、生産量が増加した品種もあり、品目・品種の多様化が進んでいる。
果物は各種ビタミン、ミネラル、植物繊維などが豊富に含まれ、健康の維持・増進に役立つ機能性成分も含まれており、新制度を活用しながら、サプリメントの補助的な食品に頼らず、バランスの良い食生活の重要性なども含めた適切な情報提供を行う必要がある。
その他、りんごの「プロシアニジン」などについても、機能性に関する科学的根拠・情報等の蓄積、成分の定量方法の標準化等の取組を、試験研究機関等の関係機関が連携して推進する必要がある、と主張している。
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