山口大学と昭和電工は、LEDを用いた植物工場の海外への技術展開に関する連携協定を締結した。協定では共同で開発した高速栽培技術「SHIGYO®法」などを、山口大学が保有する海外ネットワークを活用しながら世界の研究機関に移転し、商業施設に対しては昭和電工が保有する植物工場システム全般の設計・運営ノウハウを展開することで、世界規模での植物工場の普及と発展を目指すもの。
SHIGYO®法による植物育成(写真提供:株式会社TJクリエイト)
SHIGYO®法は、昭和電工独自の超高輝度赤色LEDと青色LEDを用いて、植物育成に最適な光照射を行うことにより、植物の生育を促し、出荷サイクルを短縮し収穫量を増大させる技術。他方、最適な光の照射方法は品種や生育環境によって異なることから、SHIGYO®法の導入後においても高速栽培に関する技術支援が必須であり、海外で事業展開を行うには、サポート体制の構築が課題となっていた。
昭和電工は、LED照明やアルミニウム製栽培棚、光触媒「ルミレッシュ®」を使用した断熱パネルなど、高速栽培に最適な環境を実現し、植物工場の生産性を高める関連製品を多く開発しており、現在、国内21件の植物工場の運営に携わっている。
現在はSHIGYO®法に関する特許権の取得を目指しており、今後はSHIGYO®法の導入先に対して、特許権のライセンス供与を推進していく。