ドイツのバイエル(Bayer)が医薬・農業分野の研究開発強化

 バイエル(本社:ドイツ・レバクーゼン)は12月2日にドイツの本社で会見し、ヘルスケア(医療用医薬品など)事業、農業関連事業のいわゆるライフサイエンス事業への研究開発を強化する方針を明らかにした。2014年の同社全体の研究開発予算は32億ユーロ。このうち約7割がヘルスケア、約3割が農業関連に充てられている。今後も引き続き、この両分野への研究開発費の対売上高比率を高めていく考えだ。

 マライン・デッカーズ社長は会見で、これまでの農業関連研究開発の実績として、2000年以降の13年間で30の新規有効成分を市場に投入したことを紹介した。
そのなかには、うどんこ病や貯蔵中の腐敗など果物・野菜の細菌感染を安全に防止する殺菌剤「Luna」、トウモロコシ用除草剤「Adengo」などがあり、これらは「世界中で農業生産力の向上に貢献し、世界人口に食料を供給する上で重要な役割を果たしている」と述べた(※2剤とも、平成26年12月現在日本国内での販売予定はない)。

 また、「バイエルは世界でもっとも急速に成長している農業関連企業のひとつだ」として、現在、農薬分野では世界2位、種子事業では世界7位である事業規模を将来もさらに拡大させる見通しだ。バイエルは今年9月、グループから素材化学事業を別会社として分離し、ライフサイエンス企業として特化する方針を明らかにしている。(記事:農業協同組合新聞より)