辻製油(三重県松阪市)と浅井農園(津市)、三井物産は19日、国内最大級の植物工場を松阪市に建設し、ミニトマトの生産を始めると発表した。近接する工場の廃熱を使うなどして生産コストを低減。温度などを細かく制御して単位面積あたり収穫量を高め、国内平均の3倍を目指す。輸出や加工も視野に入れている。
3社が共同出資で植物工場の運営会社、うれし野アグリ(松阪市)を設立した。資本金は7千万円。出資比率は辻製油が65%、浅井農園が20%、三井物産が15%。栽培面積が約2万平方メートル(2ヘクタール)の太陽光利用型植物工場を建設し、年間500トンの生産を見込む。総事業費は約7億円。なお、この事業は国の補助金の対象となっており、工場建設に3億円、その他で最大4000万円の補助を受ける。
ハウスから約150メートルの辻製油の工場が出す廃熱を活用し、植物工場内の冬季の暖房に活用するなどして、燃料コストを7〜8割減らす。収穫量の目標は1千平方メートルあたり25トンで、国内平均の3倍にあたるという。また、作業の効率化により労働時間を削減する。工場では当初、障害者を含む約30人の雇用を予定している。
来年夏に食味の評価が高い新品種のミニトマトの苗を植え、秋に初出荷する計画。浅井農園や三井物産の販売網を通じ全国の百貨店や高級スーパーに取り扱いを働き掛ける。規格外品は辻製油が加工品の原料にする。(参考:日本経済新聞より)
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