自由度の高いチップLEDを軸にニッチ市場を開拓。植物工場の光源用としての開発も進めている(株)HRD

株式会社HRD<売上高約8億円(2011年3月期見込み)>では、多くの国内メーカーが撤退する中、中小ならではの小回りの利く経営でニッチ市場を開拓し、顧客の要望に柔軟に対応・カスタマイズした商品・サービスを提供してきた。同社は今までイルミネーション等の小型照明機器用の「砲弾型」を主体に事業展開してきたが砲弾型は利幅が薄く形状も画一的であり、製品設計の自由度の面でチップLEDを求める顧客の声が増えてきたため、今年10月からチップLEDの本格生産へ、大きな方針転換を行った。
 
自由度の高いチップLEDを軸にニッチ市場を開拓。植物工場の光源用としての開発も進めている(株)HRD

「砲弾型」LEDモジュール(砲弾型はその形にある)

 
今後はチップLEDの売上比率をこれまでのほぼゼロから今年度末には6〜7割まで引き上げる計画であり、自由度の高いチップLEDを軸に植物工場の光源用・医療用、照らした物の色を正確に再現できる演色性の高いLEDモジュールを開発・生産していく。植物工場分野では低電圧でLEDを発光させる技術を開発し、発熱をほぼなくすことに成功しており、さらに光源を野菜に近づけながら生産できるようになった。こうした高い技術力を背景に、どうやらサブウェイの店舗併設型・植物工場にも採用されているようだ
 
 
照らした物の色を正確に再現できる演色性の高いLEDモジュールでは、医療用(例:動脈と静脈を色で区別可能になる)への応用が一般的だが、スーパーや食品展示において新鮮さをアピールできるような照明の提案も考えられる。
 
 
そもそも、サブウェイでは店内で使用するレタスの約5%がまかなえる程度であり「店産店消、安全・安心」といったコンセプトやブランドイメージ確立、集客効果を狙った総合的な事業としての採算性を判断している所である。お客は店内中央にある植物工場や栽培風景を見ながら、食事することができることから、植物光源用の照明開発と同時に、野菜がより新鮮に見える照明・設計といった点にも工夫・配慮する必要があるのかもしれない。