サイエンス・クリエイト社では、香港をターゲットに小型の食用花に特化した植物工場システムの販売を計画している。同社の拠点である愛知県豊橋市では、日本の食用花生産で約9割のシェアを持ち、他地域と差別化を図れる品目となっている。
海外輸出先として香港を選んだ理由として、食文化が発展している点を挙げている。たとえば、ホテル内のレストランに設置し、客の目の前で花を摘み、料理に添えるパフォーマンスを行うことも可能である。
その他、高級ブランドのパーティー会場に貸し出し、カクテルに花を浮かべることで華やかな演出を行うこともできる。
商業目的以外にも、自宅のインテリアとして、ゲストが来た時に満開の花で出迎えることもでき、食用花を生産する植物工場は、顧客ニーズに合わせてカスタマイズし、活用シーンに合った装置を製造する、という。
日本ではあまり食用花を活用した料理を見る機会が少ないが、欧米では1970年代から食用花を使ったレシピ本が、たくさん出版されている。例えば、マリーゴールドやスミレ、カーネーションやチューリップ、バラといった、様々な食用花が、料理の飾りやアクセントに使用されている。
マリーゴールドであれば、花弁や葉っぱを、生や茹でて食べるだけではなく、乾燥したものをスウィーツに利用することもできる。
マリーゴールドの花を入れたチーズスープや、キュウリのサラダのほか、バラのケーキ、ラベンダーを入れたチキン・シチュー等、多くの料理に食用花が使用されている。
食用花を浮かべたカクテルをパーティーで提供するために、小型の植物工場をレンタルすることも可能であり、同社ではまず、香港にて導入1号案件を早期に実現していく、という。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現