リコーインダストリアルソリューションズ株式会社と日本全薬工業株式会社(ゼノアック)は、2019年4月、畜産農家向け牛群管理システム「RICOH CowTalk」の販売に関する協業契約を締結した。
「RICOH CowTalk」は2019年夏頃の正式発売を予定している。
背景
日本の畜産農家の減少は牛の頭数減少の3倍近いスピードで進んでおり、農家一戸当たりの飼養頭数は3割増となっています。
環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとした国際環境の変化により、競争力向上と消費者への安全・安心な牛肉、乳製品の提供の両立が求められる畜産農家にとって、目の行き届かない時間であっても現場の情報を把握し、損失低減および業務効率化することが急務となっています。
◆協業の狙い
リコーインダストリアルソリューションズは2018年8月に畜産分野への参入を発表して以降、製品発売に向けた研究開発、実地検証を進めてまいりました。
当活動の経験・成果と産業分野で培ったセンシング・コンピューティング技術を活かし高品質・高信頼性な首輪型センサーとAI(機械学習モデル)を搭載したクラウドアプリを開発してまいります。
ゼノアックは現場に入り込んだ営業スタイルを活かし、当システムの販売・導入から活用による業務の改善提案にいたるまで、総合的にサポートします。
また同社が得意とする畜産農家・獣医師との三位一体となった活動を強化し、現場の生産性向上に取り組みます。
両社は、先進的かつ現場起点の開発力と、動物用医薬品における国内トップシェアの販売網の融合により、畜産農家の課題解決に向けたシステム導入を目指します。
◆システムについて
本システムは、首輪型センサーから取得した加速度データを、クラウド上のAI(機械学習モデル)を用いて3つの活動情報(反芻/活動/静止)に分類し、専用アプリを介してスマートフォンをはじめとするユーザー端末に表示・通知するものです。
牛の活動情報を24時間測定することで、個体ごとの体調変化や悪化兆候の見逃しを防止し、経営損失の低減に貢献します。
また、日々の作業内容や飼育状態の記録など、これまで口頭や手書きで行っていた業務管理を、牛の活動情報とあわせて専用アプリで一元管理することで、業務の見落としを防ぎ、作業を効率化します。
作業者が操作する専用アプリは、機能を必要最小限に絞り込んでシンプルに、スマートフォンの操作に抵抗のある方にも使い易く、現場の毎日に寄り添う「かんたん」で分かりやすい操作性を実現しています。
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