日吉、インドでJICA支援による生活排水処理の総合維持管理事業を実施

 株式会社日吉が提案した「遠隔監視システムを用いた生活排水処理施設の総合維持管理事業案件化調査」(インド)が、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択された。

日吉、インドでJICA支援による生活排水処理の総合維持管理事業を実施
インドでは、生活排水の多くは、処理能力不足、維持管理技術の未熟さなどにより適切に処理されないまま環境中に排出されており、周辺水環境の悪化、さらには衛生問題を引き起こし、深刻な問題となっています。

今回、日吉では処理施設の適正化(ハード面)だけでなく、その後継続して水質を維持できるよう、人の管理能力の向上(ソフト面)の双方に取り組み、水質を向上し、地域水環境の改善ができることを目指しています。

今回採択された調査では、日吉の長年の経験によって培ってきた排水処理施設の管理技術と最新のICT・IoTを組み合わせ「遠隔監視システムを使った生活排水処理施設の包括的な維持管理技術」により、日本と同レベルの維持管理技術を現地で提供するとともに、現地パートナー・人材と協力し、トータルでコストを抑え、コスト競争力を担保しながら、地域水環境の改善を目指します。

日吉、インドでJICA支援による生活排水処理の総合維持管理事業を実施

日本本社からの遠隔監視の様子

■受注の経緯
1955年に環境整備事業を目的に滋賀県近江八幡市で創業、その後、浄化槽管理、産業廃棄物処理管理、水質分析などの業務に事業を拡大します。60年以上経った現在は、分析・測定から工業薬品、施設管理、環境保全まで幅広い分野で環境事業をトータルサポートする総合環境コンサルティング企業として近畿圏を中心に事業を行っています。

水処理関連で14、各種分析・測定関連で19、その他、工業薬品販売や廃棄物処理関連など合わせて87の事業許認可を有し、個人資格についても延べ1,906名の有資格技術者を擁し、その資格種類は211種類に達します。地域未来牽引企業やダイバーシティー経営企業などにも採択されています。

日吉のある滋賀県は琵琶湖の水質悪化が大きな社会問題となった歴史があり、その解決のための大学や行政等と連携し排水処理技術の高度化を研究、実践しながら、安定・継続的に排水の水質を維持し、排水処理施設の運転管理技術を磨いてきました。創業から現在に至るまで、事業を通じて地域環境の改善と保全に貢献をしてきました。

国際貢献活動も1989年から途上国から研修生を受け入れ、環境エキスパートの育成に力を入れています。これまでに世界33カ国から726名を受け入れ、研修後、帰国してからは各国の環境管理の最前線で活動している研修生も数多い。

中でもインドとの関わりは1990年代から始まり30年近く200名近くの研修生を受け入れてきました。2011年にはチェンナイで、環境サービスを提供する現地子会社日吉インディア(Hiyoshi Ecological Services, Pvt. Ltd.)を設立し、インドの環境改善、雇用促進に貢献できるよう活動しています。これらの活動はSDGsのゴールとも合致しています。