株式会社トプコンは、稲作でのIT農業の普及推進に向け、千葉県柏市の水田でIT農業の実証実験を開始しました。水稲の生産工程である、圃場整備(代掻き(※2))から、田植え、肥料散布(追肥(※3))、収穫の工程で随時IT農業機器を使用し、その効果を検証していきます。
第一段階として本年度は、市販の田植え機にGPS受信機とモーターを内蔵したハンドルを取り付け、自動操舵による田植えを行いました。
IT農業システムの導入により、田植え機のハンドル操作が不要となるため、走行中でも一人で稲苗の補給が可能になり、作業の大幅な効率化が図れます。
また、従来は田植えのガイドとなる目印をつけるため水田の水抜きを行いますが、その作業を複数の水田で同時期に行った場合、濁った水が一気に川に流れ込み、水質汚濁が問題として指摘されることがありました。
自動操舵システムの導入により、目印設定の為の水抜き作業が不要となるため、作業者の負担が大幅に軽減出来るだけでなく環境改善にも効果が期待されます。
※1 圃場(ほじょう):作物を栽培する田畑
※2 代掻き(しろかき):均一に田植えができるよう、田に水を張り、土を砕いて掻き混ぜて、田の表面をならす作業
※3 追肥(ついひ):作物の生育途中に肥料を散布すること
【IT農業について】
衛星で測位を行い、トラクタなど農業機械の自動操舵(若しくは補助)を可能とするIT農業は、大規模農業を展開する農業先進国 (米国、オーストラリア、欧州など) を中心に普及しています。当社は2006年よりIT農業事業に参入、これら農業先進国向けを中心に農業機械のIT化をサポートしてまいりました。
一方、日本においては小規模な農地が多く、欧米に比べIT技術の導入が遅れていますが、就農人口の減少や高齢化といった課題は最も深刻で、農業の省力化や生産性の向上が急務となっています。
政府も日本再興戦略のなかの「革新的技術の導入による農業生産性の抜本的改善」でその課題に向けた取り組みを掲げており、今後IT農業の活用が益々加速していきます。
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