全国農地ナビの開発を担当したソフトバンク・テクノロジーと、全国に5か所の農業専門学校と120か所の体験農園を展開する農業ベンチャーであるマイファームは、農地情報の利活用サービスを提供するための合弁会社を2016年8月を目標に設立し、事業を開始する。
■農地流通の活性化が求められる背景
日本の農業は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)など貿易自由化による市場環境の大きな変化への対応や、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や担い手の確保が課題となっています。
日本国においては「農業の成長産業化」が政策の大きな柱として位置づけられており、その一環として、農地法の改正の中で農地基本台帳を「農地台帳」と改称して公表項目が定められました。インターネットでの公表も義務化され、農地台帳の公開項目を地図上で確認可能な「全国農地ナビ」も開発されるなど、着々と農業の成長産業化に関する施策等が進められています。
そのような農業関連の施策が推進される中で、新たに農業をはじめたい、あるいは農業の規模を拡大したいといったニーズがあります。一般的な不動産(宅地・マンション等)は、街中の店舗や不動産ウェブサイトで希望する不動産を検索し、売買や貸し借りに必要な各種手続き代行まで簡単に行える環境がありますが、農地については同等の環境が整備されていません。
このような背景を受け、SBTとマイファームは、農業法人や新規就農者が簡単に遊休農地を検索し、取得に繋がるような環境を整備することが農地流通の活性化につながり、政府方針の農地集積や精密農業の発展につながると考えました。その結果、ウェブサイトでの農地検索からコンサルティング・各種手続き代行までワンストップ提供を実現するため、両社は今回の合弁契約に至りました。
■合弁会社概要と事業の展望
全国農地ナビの開発を担当したSBTと、全国に5か所の農業専門学校と120か所の体験農園を展開する農業ベンチャーであるマイファームは、2016年8月を目標に合弁会社を設立し、事業を開始する予定です。
今後、SBTが農地検索サイトのプラットフォーム開発を担当し、マイファームが営業・農地の斡旋に係る業務等の整備を担当し、合弁会社において、インターネットを利用した農地情報の利活用、農地の斡旋およびこれに付帯・関連する業務をサービスとして提供していく予定です。合弁会社として、2019年度までに累計3億円以上の販売を目指します。
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