北海道サラダパプリカ、釧路市に太陽光利用型植物工場によるパプリカ生産・冷涼気候を利用した通年栽培へ

 富士電機、清水建設、ウシオ電機は、地元の金融機関とともに、北海道釧路市でパプリカ栽培事業を手掛ける(株)北海道サラダパプリカに出資し、太陽光利用型植物工場による生産・販売事業を開始する。北海道サラダパプリカは、本年3月に(株)信州サラダガーデンが釧路市の支援を受けて設立した事業会社である。

国内のパプリカ市場に目を向けると、年間消費量が37,000トンに上るものの、約90%を輸入品が占めています。国内には、より新鮮、安全、安心な国産品を求める消費者の根強い声があり、㈱北海道サラダパプリカはそうした潜在需要を開拓すべく、パプリカ栽培に適した釧路の冷涼な気候を利用して、通年にわたり高品質なパプリカを生産・販売します。

 事業用地は、釧路市から賃借する約3万㎡の土地(釧路市大楽毛北)です。今月内にも太陽光利用型植物工場(23,000㎡)、集出荷施設、事務所等の建設に着手し来年3月に竣工、その後、来夏の初出荷に備えてパプリカ(赤、黄、オレンジ)の栽培を始めます。

B to B型販売を基本とし、主に首都圏、北海道内の顧客を開拓します。計画では事業開始3年目の2018年に単年度黒字化、事業開始5年目の2020年に生産量600t/年の達成を目指します。本事業の設備投資額は約9~10億円前後。

施設の特徴
最先端の環境制御技術を駆使することで、最小限のエネルギーで、パプリカの周年栽培を実現する大型園芸施設です。暖房などの熱源には、隣接する製紙会社からの蒸気排熱を活用します。

<富士電機>
本プラントの建築をEPC(設計・調達・施工)で担います。産業分野で培った空調制御とエネルギーマネジメントの技術を活かし、パプリカの栽培に必要な温度、湿度、日射量などを最適制御することで、省エネ、効率的な施設運営に貢献します。

<清水建設>
建設業で長年培ってきた温熱・気流・光などの室内環境評価や施設の害虫対策などの技術力、第三者認証などのノウハウを農業分野における異業種間協働に活かし、新しい施設栽培手法の確立に貢献します。

<ウシオ電機>
釧路の気候に近いオランダの植物工場で実績が高く評価されているナトリウムランプと、点灯システム一式を納入します。ナトリウムランプは、光合成や形態形成に必要な波長を含む幅広い波長帯域をカバーした放電ランプで、パプリカの育苗を促進し、栽培・収穫の効率化に貢献します。