浜松ホトニクスでは、豊橋技術科学大学・澤田和明教授が提唱する、イオン濃度を電荷量として検出する画素技術のライセンス供与を受け、同社のイメージセンサ技術とアセンブリ技術により、高感度なイオン検出用CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサを開発した。
来春には第一弾として、水素イオン検出用の製品化にめどをつけ、国内外の各種機器メーカーや研究機関に向けサンプル出荷を目指す。
本開発品により、イオン濃度の分布と変化の動画像が、高感度で取得できるため、血液検査や細胞活動の観測などの医療分野、土壌・水質調査などの農業分野の他、化学、工業などの分野における応用が期待されます。
<技術の応用>
本開発品は医療や農業、化学などの分野での応用が期待されます。例えば、256×256画素(65,536画素)に、10×10画素(100画素)にマーカーを固定化すると、約600種類の病気を同時に検査することができることになります。
つまり、多種多様な病気のマーカーをワンチップで高感度計測できる可能性があります。これが実現すれば、世界的な流行が始まったインフルエンザなど感染症を携帯電話程度のサイズで、その場で検査できるようになります。
将来的には、携帯電話のアタッチメント程度にして、親指程度のスティック(USBメモリ程度を想定)を差し込んで、唾液や尿を100μl程度垂らすことで検査できるので、日頃のストレスのチェックなどにも活用できると考えられます。