農林水産省など5省が所管する八つの独立行政法人が出資した関連会社のうち、経営の行き詰まりで89社が清算するなどして、出資総額の9割近い計約535億円が回収不能となっていることが、会計検査院の調べでわかった。
リスクの高い研究開発に投資した結果、事業化できなかったのが主な原因。出資金の大半には国費が充てられており、基礎研究支援とのバランスが課題になりそうだ。
独立行政法人による出資金は、国の会計からの支出が主な財源。検査院は出資金が有効活用されているかどうかを調べるため、全98法人と出資先の関連会社計285社を調査した。
このうち8法人が2013年3月までに、出資先の89社について、清算するか、株を売却していた。清算に伴う分配金や株の売却代金などは約70億円にとどまり、出資した約605億円のうち約535億円を回収できなかった。
回収不能額が最も多かったのは、農水省所管の「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構、茨城)の計約240億円。42社に出資し、加工米の新開発や豚の品種改良などを研究したが、実用化されなかったり、製品になっても売れなかったりした。
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