シドニーの地下駐車場にて植物工場・都市型農業を開始。Mirvac社による不動産開発の新たな挑戦

植物工場IT活用事例セミナー

 オーストラリアといえば、広大な農地にて大規模な露地栽培や太陽光利用型植物工場が多く、都市部での完全人工光型の生産事例が少ない。

しかし、不動産の投資・開発などを行う大手企業「Mirvac社」では、シドニーの都市エリアの地下・駐車場スペースを活用した植物工場を試験的に導入し、都市型農業に挑戦を開始した。

[関連記事] オーストラリア「SwarmFarm」自動の無人小型トラクターの商業生産を開始

シドニーの地下駐車場にて植物工場・都市型農業を開始。「Mirvac社」による不動産開発の新たな挑戦
植物工場が導入されたのは、「Mirvac社」が建設・管理し、通常のオフィスとしても利用されている建物の地下スペース。都市部での食料・環境問題を解決するため、各企業や自治体と連携しながら都市型農業を展開するFarmwallが、本施設の管理・運営を行っている。


今回の都市型・植物工場プロジェクトについて

  • 都市部にある駐車場・屋上・地下スペース等を有効活用した、都市型農業を展開していく上での実証試験という位置づけ
  • 不動産のMirvac社とFarmwallによる連携プロジェクト
  • 完全人工光型植物工場では、マイクロリーフ(ミニリーフ)、葉野菜・ハーブ野菜を生産
  • 使用済みのコーヒーかすを培地・再利用したマッシュルーム栽培も実施

シドニーの地下駐車場にて植物工場・都市型農業を開始。「Mirvac社」による不動産開発の新たな挑戦
現在、生産した野菜は近隣のカフェ・レストランに提供している。徒歩7分程度にあるカフェに納品しているため、ほぼ店産店消モデルを実現。また、新鮮や野菜を提供することで食を学び、健康になるだけでなく、リフレッシュも兼ねて、ミーティング・スペースとしても活用されている。その他、イベントも開催されている。

シドニーの地下駐車場にて植物工場・都市型農業を開始。「Mirvac社」による不動産開発の新たな挑戦
 都市部でも、未活用の眠っているスペースは多い。非常に小さいスペースであっても、多段式の植物工場にて、ある程度の野菜を生産することができる。

こうした都市型農業では、野菜の生産・販売だけでは利益を生まない可能性もある。しかし、都市環境保全、オフィス空間の快適性、建物の価値向上、地域コミュニティーの強化など、総合的なメリットを考慮に入れると、都市型農業に挑戦する価値は十分にある、と同社は強調する。

アマゾンの新本社ビルでも似たような取り組みが行われているが(アマゾンの新本社ビル、ドーム型・ハイテク温室「Spheres」が完成)、植物工場をはじめとする都市型農業に関連する技術は、今後、多くの場所で普及が期待されている。