カナダ初、小売店舗と屋上ファームが融合。グリーンビルディング認証も取得

 カナダのモントリオール、サン・ローランにあるスーパー「IGA Extra Famille Duchemin」の屋上スペースでは、有機栽培による自社ブランドの野菜を生産・販売し、究極の地産地消モデルを実践している。

カナダ初、小売店舗と屋上ファームが融合。グリーンビルディング認証も取得
約2,300平方メートルの屋上スペースにて、30種類の野菜を栽培。全ての野菜についてオーガニック認証を取得しており、カナダにも複数の屋上菜園が稼働しているが、小売スーパーの屋上にて栽培する事例はカナダ初である、という。

栽培品目はトマト、レタス、ナス、大根、ケール、バジルなど。基本は露地栽培だが、一部ではトンネル栽培に近い形で生産しており、冬場の寒い時期でも異なる野菜を栽培し、周年で野菜を供給していく。

カナダ初、小売店舗と屋上ファームが融合。グリーンビルディング認証も取得屋上ファームでは水耕栽培は行われていない。全て土耕栽培だが、重量の問題もあり、大量の土を使用することはできないので、深い土が必要とされる大きな根菜類の栽培はできない。

今回の小売スーパー併設型の屋上ファームは、自治体からの要望と、屋上スペースの提供に手を挙げた地元スーパー「IGA Extra Famille Duchemin」が連携して実現した。よって多くの他社ケースにて、障害となる法的な規制もスムーズにクリアしている。

カナダ初、小売店舗と屋上ファームが融合。グリーンビルディング認証も取得 屋上ファームについて、徐々にローカル商品を支持する人々が増え、消費者や地元レストランなどからの要望を受けていたことから、スーパーIGA側が開設することを決めた、という。

同ファームは小規模であるため、設置・生産コストも高くなってしまうが、流通コストなどを考慮すると遠方から運んできた他の有機野菜と同価格程度で販売している。
※ 写真の自社ファーム商品は、グリーンケールやスイスチャード、バジルなどを3.99ドルにて販売している。

 カナダでも、使用は限定されるが特定の殺虫剤は有機栽培でも認められている。しかし同ファームでは、こうした殺虫剤すらも一切使用していない。その代わりに、害虫を寄せ付けない匂いを放つ花を、野菜の間に定植し、害虫の大量発生を抑制している、という。将来的には、こうした花も販売を計画している。

 小売スーパーの建物も、グリーンビルディング認証「LEED」のゴールドランクを獲得しており、サステイナブルな建築となっている。屋上菜園は、都市部のヒートアイランド現象を緩和する効果もあり、建物の空調・電気代を削減することができる。

さらに建物では、除湿設備から水を回収し、屋上ファームで再利用するシステムも導入した。ファーム内には蜂や昆虫も集まり、生物多様性の維持にも貢献している。

同社では、こうした環境・地産地消といったソーシャルな価値を打ち出し、IGAの自社ブランドとして野菜の販売を行っていきたい、という。