工業デザイン会社が家庭用の植物工場キットを開発
家庭のリビングに安らぎの空間をつくりだし、新しいライフスタイルの実現に向けて植物工場・水耕キットを開発しているのが 株式会社リビングファームだ。1969年に創業し、73年に有限会社として法人化した同社の本業は自動車を中心とした工業デザインである。
かつては、ドリンクホルダーやチャイルドシートなど、新しいアイデアを形にすることが好きな代表の長尾氏が、2010年から開発・販売をスタートさせたのが家庭用の植物工場・水耕栽培キットである。自動車業界では環境意識が強く、自動車ライトのLED化を進む中で、こうしたLED光源を利用した新たなビジネスを検討していた、という。
リビングファーム商品の特徴
同社の家庭用・水耕キット商品「リビングファーム」には、以下のような特徴がある。
種子から生育させる独自システムを開発
独自開発した育苗トレー・育苗ポットでは、生長を促進させるために根への酸素供給ができる仕組みも導入した。その他、育苗トレーには竹の粉末を入れることで、防菌・防藻の役割も備わっている。
自由に移動・持ち運びができる
LED光源と栽培キット部分を分けることができるため、自由に移動・持ち運びできる。例えば、部屋の模様替えを行う際には、設置場所を変更できる。
また、昼間は窓側に設置することで、太陽光を利用して栽培しながら、曇り・雨や夜の時間帯だけLEDを照射して栽培することができる。
多くの葉物野菜を栽培できる
リーフレタス、ルッコラ、バジルをはじめとして約30種類の葉物野菜を栽培することができる。自社では現在までに70種類くらいを試験栽培している。技術的なハードルが高いものの、人気のあるアイスプラントやパクチーなどの栽培も可能であるが、最初はリーフレタスなどの簡単な栽培品種を推奨している。
低コスト&手間を必要とする管理方法
低コストを実現するために汎用性の高い部品を使用している。例えば、IKEAなどの家具に取り付ける商品も開発しており、DIY的に組み立てやデザインを自分自身で考え、楽しむ水耕栽培を目指している。
他社は電化製品として自動化を進めている商品が多いが、人と植物との共生を目指し、手間をかける栽培管理が同社の特徴である。
今後の事業展開について
個人からの購入だけでなく、最近では障害者施設など法人企業向けにも販売・納品を行っている。今後は、食に関するノウハウを持っているレストランや小さなジューススタンド等との連携も検討している。
その他、学校関係の教材としても販売していきたい、という。現在の文部科学省では「土」が基本だが、土も安全かどうか分からなくなっている現在、様々な考えを持つ親も多いことから、食育や科学教育も含めた水耕キットの普及に努めていく。
会社概要
社名:株式会社リビングファーム
オフィス:東京都中野区弥生町2-15-17 ニューライフアサヒ301
TEL:03-3378-5200
URL:http://www.living-farm.com/
通販サイト:http://shop.living-farm.jp/