農作物の海上輸送・鮮度保持装置付きリーファーコンテナの販売を開始

 海上輸送コンテナの企画・設計・販売を手掛ける、SPDコンテナ事業開設準備室(神戸市東灘区、代表中川純一)は、鮮度保持装置付きリーファーコンテナの販売を開始した。同社では既に、昨年8月より香港へ桃・メロン・ぶどう等の輸出実証試験も完了しており、一定の効果を実現したことから販売を踏み切ることにした、という。
※ 写真は海外への輸出実証試験の様子。赤枠の天井部には電場発生シートが装着

農作物の海上輸送・鮮度保持装置付リーファーコンテナの販売を開始農作物の海上輸送・鮮度保持装置付リーファーコンテナの販売を開始

鮮度保持装置について
冷蔵庫内の商品のまわりに電場を発生させることにより、通常の保存技術から大幅な期間において鮮度保持する装置。

保冷庫内に高電圧を加えることで発生する静電エネルギーが、庫内の食材中の水分にわずかな振動を与え続けることにより、氷結点以下の温度でも食材を凍らせずに鮮度保持と長期保存を可能にするものである。

リーファーコンテナ
壁面に断熱材を用いた保温コンテナで、庫内温度維持のために冷凍機が付属されている。-30℃~+30℃の範囲で、0.1℃単位での温度設定が可能なコンテナとなります。

低コスト・コンテナ輸送技術により世界市場への販売も可能

近年の海外における日本食ブームなどをにらみ、農林水産物を鮮度良く長時間維持、輸送できる装置の開発が盛んに行われている。農水省によると、2016年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は7503億円となり、4年連続で過去最高を更新した。

前年比では0.7%増となっており、米国TPPの脱退など他のリスクも含め、政府が目標とする2020年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円規模へ拡大させることは難しい状況だが、低コスト・長期鮮度保持が実現できるコンテナ便の輸送技術が普及すればビジネスも大きく変わるかもしれない。

同社が開発したものは、従来のリーファーコンテナに鮮度保持装置を後付けする方法により安価で製作でき、海上用コンテナを使用することで産地から海外まで直接輸送(輸出)が可能である。

野菜や果物、花などの植物からは、植物自身が成熟・腐敗を進める作用の植物ホルモンであるエチレンガスが放出されるが、こうしたエチレンガスの分解や、酸化チタンによる光触媒と紫外線によるの強力な酸化作用により空中浮遊菌を分解・殺菌する技術も導入している。

さらに、リファーコンテナに後付け可能な技術・装置であるために中古のコンテナを利用することも可能で、低コスト化を実現。貨物用20フィートコンテナの場合、中古コンテナを利用すれば、コンテナ本体と鮮度保持装置、工事費用を含めて、約210万円~となっている。

SPDコンテナ事業開設準備室
〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中6-9 神戸ファッションマート4F
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