除草・病害虫対策が簡単な低コスト屋上緑化システムの販売強化。緑化の義務化が進む都市部での需要見込む(中部電力)

中部電力グループは、簡単に施工・管理できる屋上緑化システムを開発し、グループ会社の中電不動産を通じて販売の強化を行っていく、という。本システムは、2004年に中部電力が開発した「雑草の生えにくい植物を利用した地面の緑化技術」を屋上緑化に応用したもの。特徴は除草がほとんど不要のシステムであること。以下、詳細記事と関連サイトを掲載しておく(参考:同社の屋上・壁面緑化専用WEBサイト)


 
中部電力は工場やビル用に低コストの屋上緑化システムを開発した。除草や病虫害対策などが簡単で、管理コストが一般の芝生に比べて3分の1以下で済むという。2011年度にグループ会社を通じて販売を始める。鉄塔や資材置き場など同社が持つ多数の土地の雑草対策の技術を応用したもので、緑化の義務化が進む都市部での需要を見込む
 
 
植物繊維などでできたシートにシバの仲間など3種類の植物の種を植え付け、水をやる装置と一緒に屋上に敷き詰める。約1年で植物が地面を十分に覆い、高さは20〜30センチにしか成長せず、踏みつけにも強い採用したシバなどの植物は暑さや病虫害に強く、雑草の繁殖を防ぐ特徴がある。多数の社有地での除草の手間と費用を減らすために中部電の技術開発本部で開発したもので、09年から屋上緑化への応用を研究してきた。
 
 
屋上緑化では芝生のほか、サボテンの仲間であるセダムを使うことが多い。中部電によると、芝生は芝刈りや除草、病虫害対策などが必要で、1平方メートルあたり年1800〜2500円の管理費がかかる。病虫害に強いセダムでも650円かかるという。これが、中部電の緑化システムだと管理費は年500円以下で済む計算。システム価格も広さ1千平方メートルに施工する場合で1平方メートル当たり2万円台と、芝生などと同等という。
 
 
都市部では地球温暖化やヒートアイランドの対策として緑化の義務化が進んでいる。中部地方でも名古屋市が08年から一定以上の建物などに緑化を義務付けている。屋上緑化のニーズが高まっているが、高温や強風など生育環境が厳しく、維持管理の手間がネックになっている。こうした現状・ニーズに対するソリューションとして同システムが拡大していくチャンスもあるだろう。<参考:電気新聞、日本経済新聞など>