新たなドーム型植物工場を開発するグランパファームに日本政策金融公庫が1億円を融資/生産効率が2倍になる新型ドームハウスを独自開発

日本政策金融公庫は6月10日、神奈川県秦野市の(有)グランパファームに同県では初となる農林漁業者向け資本的劣後ローン1億円を融資した。グランパファームはレタスなどの葉菜類をハウスで生産する農業法人。今回、生産効率が2倍になる新型ドームハウスを独自開発した。先進的な植物工場として収益性向上と省力化を目指している。
 

 
公庫の資本的劣後ローンは、新規性・チャレンジ性の高い農林水産事業を行う法人を支援するもので、出資に近い融資制度。21年2月から始めて今回で28例目。公庫では「今後も新たなチャレンジへの融資をすすめ、その先進的取り組みを広報していきたい」(農林水産事業本部)としている。以下、詳細情報である。
 

日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業は、植物工場を営む有限会社グランパファームに対し、神奈川県内で初めて農林漁業者向け資本的劣後ローン1億円を融資しました。グランパファームが独自開発したドーム型ハウスが2倍の生産効率を保有し収益の向上に取り組んでいる点を先進性の高い事業として評価し、支援したものです。
 
1 企業の概要
企業名:有限会社グランパファーム
住所:神奈川県秦野市戸川594
概要
有限会社グランパファームはレタスなどの葉物野菜をハウスで生産する農業生産法人で、独自の栽培技術・生産方式を開発して事業に取り組んでいます。

今回、2倍(当社従来製品比)の効率生産が可能な新型ドーム型ハウスを独自に開発しました(裏面参照)。新型ハウスは、円形の水槽に栽培棚を放射状に配列されていることが特徴で、生育後の苗の密集状態を防止することによって、1)苗の植え替えを省力化、2)植物の成長速度を促進、3)農薬使用を最低限に抑制、といった効果が見込まれます。新型ハウスによる先進的な植物工場での栽培方法の確立を目指しています。
 
2 農林漁業者向け資本的劣後ローンの概要
平成21年2月から取り扱いを開始しているこの制度は、特に新規性・チャレンジ性が高い 事業に取り組む農林漁業者を支援するものです。融資期間は18年間。当初8年間は元本返済がありません。担保・保証人は不要で、利率は融資後1年ごとに毎期決算状況に応じて適用されます。資本的劣後ローンは、仮に法的倒産が起きた時に、償還順位が他の債務に劣後するなど出資に近い融資制度で、融資額の一部を自己資本とみなすことができるため、農林漁業者の財務の充実に役立ちます。
日本公庫は、広く農林漁業の発展に寄与すると同時に先進的な事業に取り組む農林漁業者の皆さまを、本制度により積極的に支援していきます。