ANAホールディングス株式会社では、ANAグループ社員提案制度により「株式会社日本産直空輸」を立ち上げる。今後は、航空貨物と地上輸送を有機的に連携したスピード輸送と産地および小売店の連携による最速流通で、地方の採れたての価値が高い農産品・魚介類などを抜群の鮮度で運び販売していく。
「農産品の本当の価値を消費者に届けたい」との想いを持つ一人のANA社員が、2019年度のANAグループ社員提案制度「ANA バーチャルハリウッド」(※)にて提案し、その後2年半にわたり多くの賛同するメンバーと一緒に検討・検証を進めてきました。
2021年10月からは提案者が株式会社ANA総合研究所(ANA総研)に所属して事業立ち上げに向けて動き出し、この度「株式会社日本産直空輸」として正式に誕生しました。
なお、新会社としての営業開始は4月1日をめざしており、それまではANA総研内で実証実験を兼ねた事業として運営いたします。
※2004年度から16年間にわたり実施されてきたANAグループ社員提案制度で、約200件の提案に1,700名ほどの社員が参加して活動した。2021年度からは、しくみを見直し「ダ・ビンチ・キャンプ」との名称で実施している。本提案制度から生まれたスタートアップは2020年4月1日に設立したアバタープラットフォームやアバターロボット開発を行う「avatarin株式会社」に続き2社目。
「産直空輸」とは、飛行機を利用して農産品や魚介類などを産地から主に首都圏などの大消費地に異次元の速さで運搬することによって、主に一次産品である農産品や魚介類などの採れたての鮮度の価値を消費者に届けるしくみです。
従来の、産地、卸売り、空輸、地上運送、小売り、消費者とつながる流通を、鮮度の価値を最重要視する流れに変革するために、全体を一気通貫でコーディネートすることがこのビジネスの肝です。
また、旅客機の貨物空きスペースを活用することにより、既存の流通には乗ってこなかった少量生産の農産物、首都圏ではなかなか出回らない希少品や、地方に眠る逸品なども扱うことができます。
昨今、農業の6次産業化が必要と言われておりますが、1次産業の持つ真の価値を最終消費者まで届けるには、全体をトータルにコーディネートする事業が必要であり、今回の事業化によって、従来の一次産業を活性化して儲かるビジネスにすることにつながり、地方への人の交流や移住が拡大することも期待されます。
「株式会社日本産直空輸」は今後もANAグループ(ANACargo、ANA総研、ANAあきんどなど)と連携し、地域創生に貢献するビジネスモデルとして発展・拡大することをめざしてまいります。
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