インディアナ大学、受粉用「蜂の健康状態」解析ベンチャーに25万ドルを投資

インディアナ大学が運営するベンチャー・ファンドでは、同大学の出身経営者によるアグリテック・ベンチャー「ビー・コープ社」へ25万ドル(約2,700万円)の投資を実施した。

ビー・コープ社は、養蜂を行うのではなく、蜂を利用した自然受粉を行っている生産者や、その授粉用の蜂を育てている養蜂家を助けるためのソリューションを開発・提供しているベンチャーである。

インディアナ大学、受粉を利用する生産者向け「蜂の健康状態」解析ベンチャーへ投資
具体的には、スマホに取り付けられる赤外線カメラを開発しており、このカメラを利用して巣箱をチェックすることで、蜂にストレスを与えることなく、活動状況・健康状態を把握することができる。

インディアナ大学、受粉を利用する生産者向け「蜂の健康状態」解析ベンチャーへ投資インディアナ大学、受粉を利用する生産者向け「蜂の健康状態」解析ベンチャーへ投資

アメリカ国立科学財団などの資金を活用
SBIR制度を利用して研究開発向けの補助金も取得

同社がターゲットとしているのは「受粉用の蜂を育てている養蜂家」「受粉を利用している生産者」特に、市場規模の大きなアーモンド生産者に狙いを定めている。

その後は、別の作物にも展開していく計画だが、米国の作物の1/3が、蜂による自然受粉を行っているため、大きなビジネスチャンスがある、という。


今回のインディアナ大学による投資とは別に、研究開発段階では、アメリカ国立科学財団 (National Science Foundation)なども資金提供を行っている「SBIR (Small Business Innovation Research、中小企業技術革新制度)」を利用した。

研究開発のフェーズ1は「22.5万ドル」(研究開発期間1年)、フェーズ2は「75万ドル」(2年)を取得しており、将来を期待されているベンチャー企業であることが分かる。

SBIRとは、研究開発ステージにある技術を商業化へ推し進めるための支援として、米国におけるイノベーションの源泉とされる制度である。


今回の投資について、インディアナ大学のベンチャー・ファンドでは「この他のベンチャー企業への投資も実施した。新型コロナの影響を受け、今後の経済が不透明だからこそ、社会に必要な技術やビジネスの種となるベンチャー企業への支援を加速させている」という。