NTTデータなど、AIと画像解析技術活用の「生育診断」ソリューションなどの試行サービスを開始

 株式会社NTTデータ、株式会社NTTデータCCSは、AIと画像解析技術を活用し、水稲の生育ステージを診断する「生育診断ソリューション」と、農作物に発生した病害虫・雑草の同定を可能とする「病害虫・雑草診断ソリューション」を開発し、2019年4月1日より、試行サービスを開始した。

NTTデータなど、AIと画像解析技術活用の「生育診断」ソリューションなどの試行サービスを開始
本試行サービスは、営農支援プラットフォーム「あい作」のオプション機能としての提供、スマートフォンアプリでの提供、API連携による提供を行います。スマートフォン等で撮影した圃場(ほじょう)の画像から、AIが水稲の生育ステージや、病害虫や雑草の種類を判断し、経験の浅い営農者でも適切なタイミングで施肥等の作業を実施することができます。

本試行サービスを通じて、診断精度のさらなる向上を図るとともに、本格サービス開始に向けて、AIが学習する際の基となる教師画像データを蓄積します。

NTTデータとNTTデータCCSは、本試行サービスの提供を通じて、2020年度以降の本格サービス提供を目指し、農業の効率化、生産性向上に向けた取り組みを推進していきます。


【背景】
日本の農業は、担い手の減少・高齢化による労働力不足が深刻な状況にあり、生産規模拡大・生産性向上が国の喫緊の課題となっています。

一方で、農業の現場では、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業も多い状況となっており、大規模化や生産性向上の制約となっています。

政府からは、技術発展の著しいロボット技術やAI、IoT等の先端技術を活用した「スマート農業」の実現により、生産性向上や労働力不足の解消を図るため、「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において「スマート農業」の実現に向けた取り組みを総合的に推進する方向性が示されました。

NTTデータCCSは、これまでに培ってきたAIと画像解析技術を活用し、農業の効率化や生産性向上を支援するソリューションとして、水稲の「生育診断AI」、および、日本農薬株式会社の協力のもとで農作物の「病害虫・雑草診断AI」の開発を行ってきました。

この度、NTTデータがこれらの技術の本格展開に向けて、2019年4月から2020年3月末まで試行サービスを提供することとしました。


【生育診断ソリューションについて】
「生育診断ソリューション」は、圃場をスマートフォン等で撮影した画像からAIが水稲の生育ステージを診断するソリューションです。

生育ステージの診断には、熟練者の経験に基づく判断が必要ですが、「生育診断ソリューション」を使用することで、経験の浅い営農者でも、AIが診断した生育ステージにより、適切なタイミングで施肥等の作業を実施することが可能となります。

適切なタイミングでの追肥は、収量の増加や品質向上につながるものであり、それにより、営農者の収益性の向上に貢献することとなります。

これまでに、コシヒカリで診断技術の実証を行ったところ、高い精度での診断が可能であることが確認できており、今回の試行サービスを通じて、他の品種への適用について実証を行います。