米国における教育向け園芸・植物工場が増加。NPO団体が農家と学校をコーディネート

 米国フィラデルフィアにあるストロベリー・マンション高校に併設する敷地内にて、新たに太陽光パネルを導入した温室ハウスの建設がスタートした。本施設における太陽光パネルは、グリーン・マウンテン・エネルギー社が実施する食や環境とエネルギー分野に関する社会貢献プロジェクト「サン・クラブ」が4万ドルの寄付を行い、設置される。

また温室ハウスの設置には、ペンシルベニア園芸協会も協力し、EPRA(East Park Revitalization Alliance)が推進する農場の一つとして運営される。12個の太陽光パネルにて、暖房やファン、作業用の照明など、温室ハウスを稼働する全てのエネルギーを太陽光パネルにてまかなう計画。

本施設は、教育と新鮮な野菜を地産地消する重要拠点を目指し、高校などの学生向けとして、食育や環境学を学ぶために利用されるとともに、周辺住民のコミュニティーガーデンとしても活用する。温室ハウスでは、4万本の苗を生産し、周囲の露地栽培をメインとするコミュニティーガーデンなどに提供していく、という。


 露地や植物工場などの栽培方式に関わらず、日本と比較して米国では教育向けの農業プロジェクトが普及している。学校教育における食育・環境学や地域経済の活性化(=地産地消)を目的に、政府による補助支援が進んでいるとともに、学校側や農家との間をコーディネートする非営利団体の存在も大きいだろう。

浦安市立入船中学校が人工光型植物工場を導入する等、日本でも徐々に人工光型の導入事例が増えているが、米国では都市部の学校・教育機関を中心に日本より多くの採用実績を持ち、小型施設を含めると、少なくとも年間に20~30件以上の新規導入があると推測される。

● グリーン・マウンテン・エネルギー社 https://www.greenmountainenergy.com/
● East Park Revitalization Alliance (EPRA) http://epralliance.org/
● ペンシルベニア園芸協会 http://phsonline.org/