ロームは2014年9月、福岡県筑後市の子会社の半導体工場内で、LED光源を利用した完全人工光型植物工場にてイチゴの栽培を開始した、と発表した。12月から収穫したイチゴの出荷を開始し、年明けから本格販売する。
自社の温度や照明などを管理するセンサー技術を生かし、通常の露地栽培の7~10倍の収穫量を見込む。イチゴの出荷に加え、栽培に必要なセンサーやシステムなども販売し、農業分野を新たな成長ビジネスに育てる計画。
同社では、半導体製造に欠かせない機密性の高いクリーンルームの一部(330平方メートル)を植物工場に転用。完成すれば、年間で14.8トンのイチゴを生産できる見込み。
LED光源の他、温度や湿度を自動で最適に状態に調整するシステムを導入して栽培を行い、農薬の使用量は露地栽培の10分の1以下にする(写真はローム社のWEBサイトより引用)。
同社では当初、完全人工光型植物工場による葉野菜の試験栽培を行っていたが、生産管理が難しいイチゴが自社技術を生かし、収益につなげやすいと判断した。
イチゴは一般的には食味が良いとされる一季成りイチゴを周年栽培する。生産が軌道に乗れば、2015年春にも設備の拡張を検討し、将来的には海外展開も視野に入れる。
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