農業分野にも投資・参画を進める日揮がエアドーム型の植物工場を運営するグランパに出資。国内外での事業展開を計画

株式会社グランパの株式18%を第三者割当増資により、2月23日付で取得した日揮の出資金額は約1億円で、同社に取締役(非常勤)1名を派遣する予定。今回の出資により、同社は農業分野に初めて参画することになる。以下、プレスリリースより

近年、新興国を中心とした人口増加に伴い、世界的に食糧不足が懸念されており、日本国内においても天候不順による不作が問題となっているなど、安全かつ安定的な農産物生産のニーズが高まってきています。また、近い将来、先進国を中心に都市部における人口の過密化や高齢化により、農地の確保や農業従事者の減少といった課題への対応も必要になることが予想されます。
こうした環境下、IT技術やロボットなどの先端技術を活用した植物工場システムの導入が、安全かつ安定的な農産物生産に向けた解決策として注目を浴びています。
グランパは、現在、神奈川県藤沢市ならびに秦野市で、ドーム販売事業(植物工場システムの開発・実用化・販売)および野菜販売事業(農産物の生産・販売等)を手掛けています。
同社が独自に開発したエアドーム型ハウスは、農作物の成長に合わせて回転・スライドする自動スペーシング技術により、従来型のガラスハウスによる栽培と比較して単位面積当たり2倍以上の生産能力を持つなど、植物工場システム分野において高い技術力を保有しています。
同時に、一般的に行われている露地栽培と比較して農薬や化学肥料の使用量の大幅な削減を可能とし、生産した農作物を洗浄せずにそのまま食することができるなど、消費者にとって最も関心の高い「食の安全性」という観点においても、優れた特性を有しています。
日揮は、2011年度からスタートした中期経営計画の施策の一つとして投資事業の拡大を掲げ、水や電力などのインフラ分野、資源開発分野、再生可能エネルギー・環境分野のほか、農業分野などの新規分野への投資・参画も積極的に進める計画にあり、その一環として今回の出資に至ったものです。
日揮は、今後、同社とともにエアドーム型ハウスをさらに改良し、植物工場による「農業の工業化」の実現、普及・拡大を目指します。また、この技術を活用し、東北地方において農業分野での震災復興にも貢献して行く予定です。
さらに、将来的には必要な技術をパッケージ化し、中東、アフリカなどの乾燥地域やロシアなどの寒冷地などにおける農産物の生産や、さらには中国の都市部での安心・安全な農産物の提供など、海外への展開も視野に入れています。
株式会社グランパ概要 本社所在地:横浜市中区不老町3-12 第3不二ビル 社長:阿部 隆昭 設立年月日:平成16年9月17日 売上高:約3億円(2011年実績) 従業員数:17名 事業内容 (1) 工場式植物生産システム等の開発・実用化 (2) 高栄養価野菜栽培のための調査・研究・技術開発 (3) 農業法人等、生産受託者の発掘・提携 (4) 生産受託者への技術指導 (5) 農産物の生産・販売 (6) 農産物加工品の生産・販売

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