今回の東北関東大震災により、既に野菜・果物などの生鮮食品の価格高騰が見られるが、生産施設の現状も深刻のようだ。大型ビニールハウスにてハーブ等の水耕栽培を行う青森県・三沢市の「種市水耕農場」は、ビニールハウスを温めるための燃油不足により生産がストップする可能性もある、とのこと。同社は、約1万8千平方メートルの広い敷地に長さ50メートルほどの大型ビニールハウス十数棟にて、ハーブや三つ葉、セリなど葉物約25種を水耕栽培している。
水温と室温管理などの熱源は重油を中心に灯油、LPガスを併用し、重油は1週間で約10キロ必要である。震災で30時間以上停電したため、ハウス内の暖房が止まり、野菜の一部が夜間の冷え込みで凍って、商品にならなくなったという。燃油取引先から今後の確約の連絡はない。
日中のハウス室温設定を通常の15度から13度に下げて対処しているが、「ここ数日の冷え込みはこたえる」と種市専務。1度下がった水温を再び上げる熱量は、一定温度を保つことと比べものにならない。水温を一定温度に戻しても、根が活力を失えば生育は狂う。現在のところは、備蓄分で4月までは耐えられるようだが、現状が続けば生産がストップする可能性もある。
この他にも、青森・岩手・茨城や福島にある大規模な植物工場や水耕栽培施設に大きな損害が出ている。例えば、福島県いわき市で生鮮トマトを製造するカゴメの農業生産法人「いわき小名浜菜園」の大規模ガラス温室では、天井と側面のガラスが割れた。トマトを植えてある1ライン85メートルの培地がところどころずれ落ち、修復しているが、茎が駄目になっていると使い物にならない、という<その他、カゴメのハイテク施設に関する記事はこちら>。今後も地震による損失・現状、関連情報を収集し、できる限りの支援を行っていきたい、と考えおります。
<参考記事:東奥日報など>
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