発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社は、長谷川香料株式会社と資本業務提携を実施した。
■本資本業務提携の概要
長谷川香料は、総合香料メーカーとして、グローバルに食品・飲料メーカーや日用品メーカー等と幅広く取引があり、少子高齢化・健康志向を背景に今後成長が見込まれる新しいマーケット需要の獲得や代替肉市場向けをはじめとする食品原料代替香料の開発等に注力し、香料用途拡大及びSDGsへの対応を強化しています。
DAIZはこれまで独自の技術を基盤とし、研究開発によって植物肉「ミラクルミート」のお肉としての再現性を高めてまいりました。
環境負荷が低い次世代の植物肉「ミラクルミート」はサステナブル観点でも注目されており、SDGs達成が期待されています。
今後、植物肉「ミラクルミート」の市場への普及をより加速させるためには、更なる美味しさの追求、高い再現性が求められています。
この度の資本業務提携により、長谷川香料とDAIZの両社が持つ技術を掛け合わせて研究開発を推進することで、ミラクルミートの付加価値向上を図り、ともにSDGsの達成を目指して参ります。
■長谷川香料株式会社より提携に対するコメント
この度DAIZ社と資本業務提携を実施することとなりました。当社は香料用途の拡大を基本戦略として掲げており、DAIZ社が追求する植物肉は健康志向を反映した有望な市場であると考えています。
また中長期的にみてSDGsへの取り組みの観点からも植物肉は世界規模のタンパク質不足への対応という重要課題の解決策の一つであり、国内外に向けて今後まさに力を入れていく分野です。
DAIZ社は研究開発に対する情熱と、それを実現する技術力を持っており、当社の社是である「技術立社」にも共感していただけると考え、提携を決定いたしました。
DAIZ社と協業することで一層の健康と美味しさを植物肉市場に提供できるよう尽力してまいります。豊かな食文化を多くの人が享受できるように、持続的な社会の発展に貢献していく所存です。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています*1。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。
そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています*2。植物肉が、牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しています。
これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていました。
DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用しています。さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。
さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*3で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。
その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*4にかけ、膨化成形技術*5により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成しています。
発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
*1 国連推計「世界人口推計2019年版」より。
*2 UBS調べ。
*3 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*4 食品加工時に使用する装置。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う。
*5 特許申請準備中。
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