株式会社スプレッドは、世界に先駆けて黒字化を達成した植物工場 「亀岡プラント」(京都府亀岡市)と自動化による省力化に成功した次世代型植物工場 「テクノファームけいはんな」(京都府木津川市)において、生産工程管理の国際的な認証制度である「GLOBAL G.A.P. (グローバルギャップ)」の認証を取得した。
この度、食の安全、環境保全、労働安全、トレーサビリティの視点に加え、新型コロナウイルスを含めた感染症対策への評価が実施され、認証を通してwith コロナ時代でも安全なレタスを生産・提供できる体制を強化しました。
認証取得 背景
持続可能な農業生産を推進し農業における今後の国際的なスタンダードの一つである「GLOBAL G.A.P.」での認証を通じて、より多くの事業者や消費者に生産体制や品質に対して安心していただくため、取得しました。
「GLOBAL G.A.P.」認証取得による効果
・ 2工場でこれまで取り組んできた厳格な衛生・品質管理の可視化
・ 安全講習会や安全に関する掲示物の掲出などの取り組みを通じた、従業員の意識向上の促進
・ ステークホルダーに対して、安全かつ環境に配慮した生産体制の周知
テクノファームけいはんなにおける衛生管理の一例。入館時の検温、体調チェック、手指の消毒を行い、作業直前には専用の衛生服を着用の上、手洗い、粘着テープやエアシャワーによる埃や異物除去を経て作業に従事しています。マスクと手袋は常時着用し汚染を防ぎます。
今後の展開
今後、スプレッドの工場から出荷されるレタスのパッケージに、「GLOBAL G.A.P.」の認証を取得した工場で生産されたことを示す「GLOBAL G.A.P.Number」を記載し展開していきます。
引き続き衛生 ・安全管理を徹底し、安全性の追求と労働負荷軽減に努めつつ、さらに新たな技術開発を通して、環境負荷の軽減も推進していきます。
スプレッドは、ステークホルダーやパートナーとの協業・連携を含めた植物工場事業を通して、持続可能な社会づくりを目指し、SDGsの達成に貢献していきます。
「GLOBAL G.A.P.」について
G.A.P.とは、GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES (実践)の頭文字を取ったもので、「農業生産工程管理」と呼ばれています。GLOBAL G.A.P.は食の安全、環境保全、労働安全、トレーサビリティの視点から200項目以上を審査する国際的な認証規格。特に欧米では多くの流通大手が調達の際に取得を求めており、さらに一部の国際イベントの調達基準にもなっています。
日産2万1千株 世界に先駆けて黒字化を達成 亀岡プラント
2007年より稼働。6年の試行錯誤を経て、栽培に最適な環境制御技術の確立や、効率的なオペレーション構築によって、97%を超える高歩留まりを実現し、大規模植物工場では困難と言われた黒字化を達成。熟練したスタッフによる大規模栽培技術の実験・検証の場としての機能も持ち、スプレッドの精度の高い生産を支えています。
日産3万株 自動化による省力化に成功 テクノファームけいはんな
2018年より出荷を開始。次世代型農業生産システム『Techno FarmTM』を導入した初の工場。併設の研究開発施設での栽培技術や、IoT・AI技術も開発。マザー工場として新規技術の実証と開発を行い、未来に向けてさらなる進化を続けています。
【生産性向上と環境負荷軽減を両立した革新技術】
・栽培工程の約7割を自動化
・栽培に使用する水の約9割をリサイクル
・高度な環境制御技術
・植物工場専用LED照明
・栽培管理システムによる業務効率化
次世代型農業生産システム Techno Farm
スプレッドが亀岡プラントで培った10余年のノウハウを基に、各分野のパートナーと共同で開発しました。自動化栽培、水のリサイクル技術、環境制御技術、植物工場専用LED照明、IoT・AI技術などを導入。未来の食料生産に必要不可欠な技術として持続可能な農業を推進していきます。
URL:www.technofarm.com
累計6,000万食超を販売(※1)植物工場野菜ブランド ベジタス
「パッとおいしく美しく」をコンセプトに、手軽に健康的で彩りのある食卓をお手伝いし、地球や人に優しいサステナブルなレタスを目指しています。ラインアップはフリルレタス、プリーツレタス、フリンジレタスの3種類。
それぞれシャキシャキ、ふんわり、ふわシャキといった個性あふれる食感と、甘味と旨味が広がる味わいです。お子様も喜んで食べていただける緑黄色野菜(※2)として支持されています。
サラダはもちろん、サンドイッチ、さらにスープなどの加熱料理でも引き立つおいしさです。
URL:www.vege-tus.com
SDGsへの貢献
取り組み例
・ 目標2 飢餓をゼロに:持続可能な食料生産の推進
・ 目標8 働きがいも経済成長も:自動化、DX化の推進による労働負荷の軽減
・ 目標12 つくる責任つかう責任:生産物の捨てる部分が少ないことによるフードロスの抑制
・ 目標13 気候変動に具体的な対策を:レジリエンスな農業の推進
・ 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう :『Techno FarmTM』のパートナーシップ展開
スプレッドは、2030年のSDGsの達成に向けて、植物工場事業を通じて貢献していきます。さらに技術革新とサプライチェーンの効率化によって食料安全保障を確立する、グローバルフードインフラの構築を目指します。
※1 スプレッドで生産し販売したレタスの実績
※2 ベジタスは緑黄色野菜の基準(β-カロテンの含量600μg/100g以上)をクリア
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