インドにおける都市型農業ベンチャーの台頭。有名大学卒の起業家たちも「10億ドル市場」を狙う

 インドでは近年、農業ベンチャーの設立が急増している。こうしたトレンドは、ここ数年前からであり、その多くは都市型農業をターゲットとしたビジネスとなっている。

ただし、栽培方法は植物工場のようなハイテクではなく、IoTなどを活用しながら、よりローテクな栽培方式を採用しているケースが多い。

インドにおける都市型農業ベンチャーの台頭。有名大学卒の起業家たちも「10億ドル市場」を狙う
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 インドにおいて以前の農業は ”儲からない” 魅力のない産業であった。よって、営農を辞めて都市に働きに出る人々も非常に多く、有名大学卒の優秀な人材が農業分野に就職することは非常に少なかった。

しかし、こうした状況が変化しつつある。インドの中でも大都市では、健康や安全・安心に意識の高い消費者が増え、家庭菜園を支援する農業ベンチャーや、差別化・高付加価値をはかるため地産地消型のレストランも出現している。

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インドの都市型農業ビジネス
その市場規模は数年後に10億ドルへ拡大

 農業ベンチャーにも投資を行うIndus Entrepreneurs社によると、都市型農業ビジネスは数年後、インドでは10億ドルの市場規模を持つ、と推計されている。安全・安心や地産地消、環境にも意識の高い消費者が増えるためだ。

インドでも世界市場と同様に、農村から都市部への人口移動が加速し、都市部において、環境に配慮した形(農薬削減・不使用、水の節約など)で新鮮な農作物の安定確保が必要とされる。

現在、インドの一部の州では、屋上やバルコニー等のスペースを利用した家庭菜園やマイクロ発電(太陽光パネルの設置)を推進する施策も進められている。