株式会社ボーダレス・ジャパンと、宮崎県児湯郡新富町は、耕作放棄地を農業用地として再生し、地域の高齢者を雇用、低価格なオーガニック野菜を生産・販売する事業を今秋より開始する。同社では、今年11月にみらい畑 株式会社を設立予定となっており、「耕作放棄地」×「オーガニック野菜*」×「高齢者雇用」の地域活性化プロジェクトを推進していく。
□「耕作放棄地」×「オーガニック野菜*」×「高齢者雇用」の地域活性化プロジェクト
耕作放棄地を農業用地として有効活用し、地域を活性化させることを目的として始動したのが本プロジェクトです。この事業では、離農者の次の担い手として期待されていた若者ではなく、定年退職後の高齢者を生産者として雇用します。
これまで、農業の新しい担い手として若者が就農することが期待されていましたが、地方に移住して就農を希望する若者は、なかなか集まらないというのが現状でした。一方で、定年退職後の高齢者は、伸びる平均寿命と減少する年金支給のなか、生活に経済的な不安を抱え、働き口を探す人が増加しています。
このような現状を鑑み、若者に代わる農業のプレイヤーとして、定年退職後の高齢者を雇用するモデルを考案し、事業を開始しました。
今秋より、宮崎県児湯郡新富町にてルッコラ、小カブの栽培を開始しており、11月末より販売がスタートします。農作業が高齢者に負担にならないよう、栽培しながら補助器具等を開発・導入していく考えで、来春から定年退職後の高齢者の雇用を開始する予定です。
*弊社で生産する野菜は、有機JAS認定の取得を目指しております。有機JASは、種まきや植え付け前に、2年以上前から、許容された資材以外を使用していない田畑で栽培することが条件とされています。
▶︎「耕作放棄地を再活用し、高齢者雇用を生み出す有機農業」
みらい畑WEBページはこちら
https://www.borderless-japan.com/social-business/miraibatake/
□ 新規就農を阻む壁をなくす「宮崎県児湯郡新富町」
通常、新規就農者は、農地の所有権を取得するために、地域の農業委員会に許可を得なくてはなりません。しかし、農業委員会の許可を得られるのは、農家もしくは農業従事者だけということが少なくありません。
したがって、新規就農者は農家に農地を借りるなどして、農業経験を積まないといけないというのが現状です。ほかにも、初期投資として農業機械などの購入も必要となり、農業への新規参入はハードルが高いといわれています。
この問題を解消し、若者の新規就農者を増やすための取り組みをおこなっているのが、宮崎県児湯郡新富町の一般財団法人こゆ地域づくり推進機構*です。今回、本プロジェクトのスタート地点として、インフラの提供等でサポートをしていただきました。
*「強い地域経済をつくる」ことを使命として、新富町が旧観光協会を法人化して平成29年4月に設立した地域商社。地域の人口減少を食い止め、地域経済を活性化するため、行政機関にはなかったスピードで、よりグローバルに挑戦することを目指す。
「地域商社」として、農産物のブランド化・販路開拓をおこなうほか、「児湯シータートル大学」と称した起業家育成塾などの運営をおこなっており、持続可能な地域づくりを推進する。(http://koyu.miyazaki.jp)
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現