JAふくしま未来は、果樹の防霜(ぼうそう)対策を目的に、NTT東日本の圃場センシングソリューション「eセンシング For アグリ」を導入し、4 月より運用を開始した。
本取り組みは、エネルギーハーベスティング(※1)に基づく LPWA(※2)を利用したセンシングによる生産管理を行う業界で初めての取り組みとなります。
※1 太陽光、機械の発する振動、熱などのエネルギーを採取し電力を得る環境発電技術
※2 省電力でkm単位の距離で通信できる無線通信技術の総称
導入経緯
JAふくしま未来は、2016年3月に福島県北地域の4つのJAが合併して誕生し、その管内は福島県内12市町村に及ぶ全国有数の果樹(桃、梨、りんご、あんぽ柿など)・野菜(きゅうり、トマト、にら、なすなど)の産地となっています。
この地域では、果樹の栽培において、重大な被害をもたらす「霜」による凍霜害の対策として、降霜時の危険温度に達する前に果樹園地内で燃焼剤を燃やし空気を対流させ温度を上げる取り組みを行ってきました。
JAふくしま未来では、毎年果樹の開花期となる4月から防霜対策本部を設置し、霜注意報が発令されると職員・組合員約60人が福島地区に点在する56箇所の観測地の温度を夜明けまで観測しており、その際に発生する人的負担が課題となっていました。
これまでも温度観測の自動化を検討してきましたが、圃場における観測装置に電源が必要になることや、観測データの送信にモバイル回線を利用するため通信コストがかかることから、導入を見送ってきました。
そのような中、導入圃場ごとの観測データの送信にモバイル回線費用が不要であるLPWA方式の無線通信機器を使用し、エネルギーハーベスティング(環境発電)により電源不要でセンサーと無線通信機器を設置できる「e センシング For アグリ」を導入するに至りました。
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