ヤンマー株式会社と井関農機株式会社は、日本国内の農業機械製品の開発・生産分野での協業を拡大することについて両社基本合意に達した。日本農業は、農家戸数が減少する中、担い手に向けての農地集積、主食米から他作物への転換等、大きく変化してきております。
このような背景から、国内農業機械市場においてはメーカーの販売台数減少が続く一方で、規模拡大を目指す担い手に向けた大型機械から中山間地等小規模区画で根強い需要のある小型機械までの幅広いバリエーションニーズ、機械化が遅れている作物別野菜作機械への多様な開発ニーズに対応する課題にわたしどもは直面しています。
さらに農家の皆様からは、生産資材費低減に向けてのシンプル仕様から労働力不足を背景とした省力化に対応する先端技術を織込んだ自動化仕様等、少量多品種の製品提供を要望されています。
こうした環境を踏まえ、ヤンマーと井関農機は、日本農業の活性化に向け、競争関係を超えて協力することが必要との共通認識に立ち、両社が持つ開発・生産リソースや技術ノウハウを補完し合うことを基本として、以下の項目に関して国内農業機械製品の開発・生産分野における協業の拡大に取り組んでまいります。
【協業を進める内容】
1.製品の相互OEM供給
[1]縮小する稲作専用製品への対応
稲作市場において需要の減少が著しい中山間地向け小型製品や各種稲作専用製品群において、製品をお互いが補完し合う形で生産し、相互にOEM供給する事で安定した市場供給維持を目指してまいります。
一昨年より籾摺り機や計量選別機の分野で相互OEM供給をスタートさせており、今後も両社間で協議し、品目数を増やしていく予定です。
[2]拡大する畑作野菜作関連製品の充実
拡大する畑作野菜作市場において両社が保有する畑作野菜作製品の相互OEM供給にて品揃えを拡大し、多様化するお客様のニーズに対応してまいります。
現在すでに、お互いが得意とする野菜作関連製品においてヤンマーより井関農機へ野菜収穫機を、井関農機からヤンマーへ野菜移植機のOEM供給をスタートさせています。今後両社における作物毎の野菜作機械の製品ラインアップの充実をはかり、一貫体系を確立していく予定です。
2.製品の共同開発の検討
今後大きく変化する日本市場に対応していくため、それぞれ自社だけの開発・生産では課題が発生する製品については、共同開発により新製品の開発・生産に関わるコスト等の課題解決を図りながら市場供給を実現させ、お客様のニーズにお応えしてまいります。
3.機能性ユニットの共通化拡大
各々が独自で開発・生産を手掛ける製品についても、機能性ユニットを相互供給することで、開発・生産に関わるコスト・負担軽減と効率化を図り、様々なバリエーションニーズに応えてまいります。
4.農業ICT分野における協業
市場のニーズが拡大する農業ICT分野においても、現在両社がそれぞれ研究開発を進めています。今後その普及に関し、機械通信サービス領域における協業を検討してまいります。
その第一弾として、ヤンマーがエンジンやマリン、コージェネレーション分野において培った高度な“GPSと通信端末を搭載したM2M(エム to エム)システム”「スマートアシスト」を井関農機の農業機械用にアレンジしたシステムを井関農機製品に搭載し、お客様にとってより使いやすいサービスを両社で提供してまいります。
ヤンマーと井関農機の両社は今回の協業拡大により、農業機械という分野において日本農業が抱える様々な課題に柔軟に対応していくとともに、日本農業の発展に貢献すべく、担い手の皆様はもちろんのこと小規模農家、ホビー農家に至るまで全ての農業者の皆様方の期待に応えるソリューション企業となって応援していきます。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現