株式会社リバネスでは、平成27年度新ものづくり創出拠点整備事業に「町工場ショクづくり」のテーマで採択され、墨田区の空き工場を活用した完全人工光型植物工場「リバネスアグリガレージ研究所」をオープンさせた。
同施設では、空き工場を活用した植物工場と加工施設を併設することで野菜を粉末などに加工し、墨田区内の商店街と連携しながら植物工場野菜の商品化を行っていく。墨田区では後継者不足や景気の低迷によって、町工場も減少しており、区も新しい活用プランに対して補助金を通じた支援を行っている。
開設した施設面積は約75平方メートル。うち植物工場としての生産ルームは半分を占めている。栽培ルーム内の光源・温度・湿度や養液管理は全てタブレット端末で遠隔操作が可能である。墨田区にある複数の空き工場に植物工場を導入した場合でも一括管理ができる。
現在の栽培品目は、小松菜やケールなどのベビーリーフ商品やフリルレタスやサンチュなどが中心。基本的には墨田区商店街など周辺の飲食店・レストランが要望する品目を生産していく方針。現在はルッコラ、パクチーの栽培もスタートさせている。
生産した植物工場野菜は生鮮野菜として、そのまま出荷するほか、乾燥・粉砕したものをパンやケーキ等に使用し、様々な商品開発を行っていく計画。その他、他社や研究機関から依頼を受け、野菜の分析受託や粉末サンプル化などのサービスも提供していく。
植物工場によるリーフレタスの生産・販売事業では、大きな投資と生産規模が必要となり、資本力のない中小企業にはハードルが高いのが現状である。同社では機能性など高付加価値野菜に注目しながら、粉末加工技術を活用した商品開発など六次産業化を支援することで、小規模でも収益改善ができるプランも提案していきたい、という。
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