津波で被災した宮城県名取市に水耕栽培の植物工場を運営している農業法人の「さんいちファーム」では、施設の本格稼働にともない、一般消費者・業務用の両方において、収穫した野菜の販売をスタートさせている。
※ 同社は2015年1月に自己破産を申請
負債総額は約1億4,000万円 → 太陽光利用型植物工場を活用した震災復興事業「さんいちファーム」が倒産へ
同法人は仙台市沿岸部の農家3名を中心に、2011年11月に設立。敷地面積が約6,000m2、2,000m2の水耕栽培ハウス3棟が稼働している。2012年1月の着工から5月末に施設が完成し、6月末に出荷をスタートさせた。
総事業は約3億4,000万円で、このうち国と県の補助金で7割を賄い、残り3割を借り入れることで、本格生産までこぎつけた。
施設全体の生産能力は、レタス換算で年間120万個の出荷が可能である。
過剰な環境制御機器の導入を避け、冷暖房などの空調設備の変わりに、養液部分での温度調節を行っている。施設全体を温める場合と比較して光熱費も約4割の削減が可能である、という。
同社は、昨年7月から今まで、環境ベンチャーの株式会社リサイクルワン(プラントの施工)、株式会社エコヒルズ(野菜の販売)の2社が全面的に支援を行ってきた。
現在は、業務用の販売とともに、週1回は一般消費者への販売も行っている。
今後は、手羽先で有名な世界の山ちゃんの関東エリア23店舗や焼き鳥のひごの屋などへの販売も予定されており、支援を表明している大手外食チェーンとともに、今後は小口の飲食店やスーパーへの販売も進めていきたい、という。
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