水稲用の育苗箱を利用し、簡易的な半浸水フロート式栽培法にて葉野菜を低コストにて生産<広島県立総合技術研究所農業技術センター>

水稲用の育苗箱を水に浮かべて葉菜類を育てる独自の「半浸水フロート式栽培法」研究を進めている。育苗ハウスの通年利用を目指す。パイプや木材で枠を作り、ビニールシートを敷いた簡易プールに深さ約10センチ水を張る。厚さ3センチの発泡スチロールの板を浮かべて育苗箱を載せると底面が約5ミリ水につかった状態で安定する。     箱の底面の穴から常時水が入り、水やりの負担が軽減。箱は水に浮いて水平を保ち、地面を平らにならす必要もない。イネと葉菜類を同じ設備で栽培できるため、箱の移動や畝を作る手間も省ける。初期費用は約10アールの水田に必要な箱18個分で約8千円と試算する。     センターは2010年から研究を始め、イネのほか、既に水耕栽培の実績があった青ジソや小松菜を約20平方メートルで試験栽培した。箱を地面に置く従来の栽培法に比べ、小松菜はやや生育が遅れたものの、イネや青ジソはほぼ同様に育った。今後も肥料の量や日照時間を変えるなど研究を深める。センターの研究成果発表会では「より商品価値が高い、ホウレンソウやサラダ菜などの栽培にも取り組み、実用化を進めたい」と話している。<参考:同センターHP、中国新聞など>    ]]>