日本ハム、国内初の口蹄疫抗原検出キットを販売。家畜伝染病の早期発見へ

 日本ハム株式会社は、国内で初となる口蹄疫抗原検出キット「NHイムノスティック 口蹄疫」の製造販売承認を取得した。

日本ハム、国内初の口蹄疫抗原検出キットを販売。家畜伝染病の早期発見へ
本製品は、家畜伝染病予防法(※1)に基づき、国内の畜産現場における防疫対応に活用される予定です。日本ハムは本製品の販売供給を通じて、家畜疾病の発生・まん延防止による畜産業の振興並びに安定的な食肉供給に貢献してまいります。

尚、本製品は、2011~2018年度の農林水産省の研究助成を受け、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門(以下「農研機構動物衛生部門」)と共同開発した口蹄疫抗原迅速検出法を採用しております。


※1. 家畜伝染病予防法
家畜の伝染性疾病の発生の予防とまん延の防止により畜産の振興を図ることを目的とした法律。


背景
ニッポンハムグループは「食べる喜び」をお届けする企業として、安全・安心で高品質な食肉を安定的に供給するために、生産・飼育から、処理・加工、物流、販売までを一貫して行う「バーティカルインテグレーションシステム」を構築しています。

世界の総人口は2040年に90億人を超え、これを養うには食料生産を2000年比で1.55倍に引き上げる必要があると考えられています。日本は世界第1位の食料輸入国であり、畜産農家数が大幅に減少していることからも、食肉の安定供給は大きな課題になっています。

食肉の安定調達・安定供給を脅かす様々な要因のひとつに、家畜疾病の発生とまん延があります。2010年に国内で家畜伝染病(法定伝染病)(※3)の口蹄疫が発生した際には、牛、豚など約29万頭が殺処分され、甚大な経済的損失を引き起こしました。

こうした被害を最小限に食い止めるためには、有事の際に早期の防疫体制を確立することが重要です。そこで日本ハムと農研機構動物衛生部門は、家畜の生産現場で簡便かつ迅速に検査できる口蹄疫抗原検出キットの開発を目的として、2011年度から農林水産省の研究助成を受け、キットの開発及び実用化に向けた研究を続けてきました。


※3. 家畜伝染病(法定伝染病)
家畜伝染病予防法の中で、発生によるまん延を防止するため、殺処分等の強力な措置を講ずる必要がある疾病として28種指定されている。口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、豚コレラなどが含まれる。