米国の農業ビジネス、トランプ発言への影響。数千万円の設備投資を行う農業経営者も

 1月20日に米国にてトランプ新大統領が誕生するが、今後の具体的な政策方針には農業分野の経営者も注目している。クリントン氏と争った大統領選では、1100万人にも及ぶ不法移民すべてを排斥するような主張を行っていたが、大統領に当選した現在では、犯罪歴のある300万人を対象とするような発言に縮小している。

それでも今後は、不法移民に対して、何かしらの取り締まりを行うことは間違いない、とみられている。こうした不法移民によって支えられている産業の一つが「農業」である。

大規模・自動化が進んでいる米国の農業においても、農作物の収穫時期などは、メキシコなどから不法に移住してきた大量の作業員を一時的に雇い入れているのだ。

農作物の半分近くを生産する「カリフォルニア州」への影響

 トランプ氏の発言や今後の政策によって、特に影響が大きいとされるのが「カリフォルニア州」である。カリフォルニア州は、米国における農作物の半分近くを生産しており、野菜や果物、ナッツ類など年間の農業生産額は470億ドルにもなる。

米国の農業ビジネス、トランプ発言への影響。既に数千万円に設備投資を行う経営者も
穀物や一部の果菜類、果物などの生産者は大規模農家が多く、収穫ピークには多くの農作業員が必要となり、その数は数百人から、大きなワイナリーにてぶどうを収穫する際には数千人を一時的に雇うこともある。