経産省の補助支援を受け、グランパが陸前高田市にドーム型植物工場を建設

 経済産業省は被災地の復旧・復興などを目的にした「地域経済産業活性化対策費補助金」の採択事業に、ドーム型植物工場を運営する農業生産法人「グランパファーム」が申請していた「再生可能エネルギー利用・大規模施設園芸団地実現実証事業」を決定した。

同事業では、岩手県陸前高田市の被災地で、新たな安定的雇用拠点として大規模施設園芸団地の形成を目指し、再生可能エネルギーを利用した省エネ型植物工場システムの開発・実証を行う。地下水や太陽光などの自然エネルギーを有効利用した植物工場システムを開発することで、エネルギーコストと生産ロスの削減を図る。

また、植物工場システムで収穫された農産物と周辺地域で出荷される生鮮食品などとの混載輸送の実証を行うことで、物流費を低減した効率的コールドチェーンネットワークの構築も図る。

 同社の計画では、1.8haの土地に、円形水槽を用いた直径30メートルのエアドーム式植物工場を8基設置。自然光と自然の風を取り込み、重油を使わずに電気だけを使うなど、通常のビニールハウスよりも低コストで栽培できるが、実証実験では、地下水を利用してさらなる省エネ、低コスト化を目指す。

2012年8月にドーム型植物工場が稼働

 グランパファーム陸前高田では、陸前高田市米崎町にて2012年8月4日、施設を稼働させた。ドーム型植物工場は、直径29m、高さ5mの白いエアドーム8基が、敷地約1.8haの土地に設置された。生産ルーム内は、室温13~30度前後に自動調整されており、リーフレタス換算では1棟にて1日450株を生産できることから、合計の生産能力は8基で毎日3,600株となる。

販売先は、地元のスーパー・マイヤやイオングループ、サンドイッチチェーン・サブウェイなどに出荷する計画。18人を雇用し、事業費は国庫補助3億円を含む4億8千万円。県の震災復興特区の認定も受けている。

特殊形状したドーム型では、光を均等に拡散できる。また、スペーシング技術を導入することで、一般的な温室ハウスの約2倍の収量を実現できる。液肥の水温は、夏場は地下水、冬は太陽光で調節し、自然エネルギーを活用することで、ドーム1基の光熱費も年間150万円程度で済むという。